
◆パ・リーグ 日本ハム1―0楽天(9日・エスコンフィールド)
日本ハムが“新庄スペシャル”で楽天との接戦を制した。0―0の7回無死一塁で「バントエンドラン」が成功。1死三塁で万波中正外野手(26)の遊撃への適時内野安打が決勝点となった。先発の有原航平投手(33)は9回118球、6安打11奪三振で2試合連続完封となる4勝目をマーク。3回には史上161人目の1000奪三振を記録した。
二塁ベースを蹴った一塁走者・五十幡は一切スピードを落とすことなく三塁を陥れた。0―0の7回無死一塁、水野が初球を三塁前にバントを転がすと、スタートを切っていた五十幡が三塁まで進む「バントエンドラン」がさく裂。1死三塁で内野手が前進する中、万波が二塁ベース後方に落ちる遊撃への適時内野安打を放ち、決勝点となった。
前夜から仕込んだ“新庄スペシャル”がはまった。新庄監督は、「昨日の夜から考えて、古謝君が左(投手)で、金子君が来るだろうとファーストで。場慣れしてないんで、送球が遅れるかなっていうところで。金子君じゃなかったらやってないですね」。楽天の先発は左腕の古謝。さらに一塁手が今年5月に支配下登録されたばかりで1軍経験の少ないルーキー・金子(2025年育成ドラフト4位)を想定し、イメージを膨らませていた。試合前のミーティングでも作戦を説明し、「サードに捕らせて古謝君が(三塁ベースカバーに)遅れるという。完璧でした」と、思惑通りの攻撃に得意顔を見せた。
ナインとも心は一つだった。完璧なバントを決めた水野は、「一発で決めることが条件だったので、ほんまにうまいこといきました」。好走塁の五十幡も「選手全員がどんなサインが出てもいいように準備はしている。転がった瞬間に迷わずに三塁までいけた」と、各選手が役割を遂行し、虎の子の1点を生み出した。
相手先発・古謝に6回まで完全投球を許す中で打者25人、2安打で勝利。指揮官は「今、打てない時期なんすよ。1年間やってたら大体5、6回は3、4試合、打線が寒い時期がある。というところで、こういう作戦は生きてくると思う」と冷静に分析した上での采配だった。両リーグ最多127本塁打の破壊力と、就任5年間で磨いてきたスモールベースボールが融合し、最強の新庄野球が完成する。(川上 晴輝)