
◆パ・リーグ 西武0―3ソフトバンク(26日・ベルーナドーム)
破竹の勢いだ。ソフトバンク・前田悠伍投手(20)は、6回3安打無失点で先発の仕事を全う。小久保監督といつものようにグータッチを交わした。高卒3年目以内の開幕8連勝は、1967年の巨人・堀内恒夫(2年目)以来、59年ぶり。09年の田中将(現巨人)、15年の大谷(現ドジャース)を上回る快挙に「意識はしていないですが、本当に野手の皆さんのおかげ」と頭を下げた。
テンポよく投げ込む姿に、冷静なマウンドさばき。8月に21歳を迎えるとは思えない風格が漂うが、心構えも同様だ。2月の春季キャンプ。進化を追い求めて試行錯誤する中で、左腕に負担がかかっていた。痛みと付き合う中で、推定年俸1100万円の左腕にとっては、簡単に手を出せない高額医療器具を購入。大きな買い物であることを自覚した上で「1年でも長く野球をやりたい。野球人生を考えた時に高いとは思わない」と決断した。
今ではアタッシェケースに「医療機器 注意!」と書いた粘着テープを貼り、遠征もともにする。毎日欠かさず治療し「これがなかったら、今頃リハビリしていたかもしれない…」と本音も漏らす。さらに高額な医療器具の購入まで検討。「例えばあしたクビになったとして、自分がすぐに社会で働けるとは思えない」。大好きな野球に専念できるありがたみを持つからこそ、自己投資を惜しまない。
チームは今季4戦4敗と苦手にしていた高橋光から勝利。2位・西武と5・5ゲーム差とし、独走態勢で球宴を迎える。小久保監督は「ズルズルいくより、(高橋光から)一つ勝てたのは後半戦につながる」とうなずいた。交流戦明けからの全11カードで負け越さずに、前半戦を終了。中断期間を挟んでも、投打のかみ合ったタカの勢いは止まらない。(森口 登生)