ロッテの中森俊介は5月4日に今季初昇格すると、ここまで20試合・20回を投げ、2勝、10ホールド、1セーブ、14奪三振、防御率0.45と抜群の安定感を誇る。
今季初登板となった5月4日のオリックス戦から6月6日の巨人戦にかけて11試合連続無失点。5月28日の広島戦では一、二軍合わせて今季初の連投となったが、「体の状態としては、連投2日目の方が状態は良かったですし、体が締まっている感じがあったので、連投を続けて行った時の蓄積した疲れを溜め込まないように。イチからしっかりリカバリーしていきたいと思います」と、1回・14球を投げ、0被安打、2奪三振、0与四球、0失点と危なげない投球。
5月12日の日本ハム戦から「体全体を使って投げたい意識です」と体を大きく使ったフォームで投げていたが、5月31日の阪神戦以降は「元に徐々に戻っていると思います」と、昨季までに近いフォームに戻した。
元のフォームでもスピードが出てきたことが関係しているのだろうかーー。
「単純に体を大きく使ったフォームで(体が)扱いきれていなかった。ボールがどこにいくかわからない。自分にしっくりしたフォームで投げていますが、その分、ダメージは大きいのかなと感じています」(6月18日取材)
6月19日の楽天戦では投球の際、いつもよりも横の時間が長かったように見えた。
「横の時間が長く見えていたら、いいと思いますけど、個人的にはそんなに意識していなくて、意識していない中で第三者からそう見えているのであれば、良いのかなと思います」
故障のリスクが大きい中で、元に近いフォームに戻したが、体自体は問題ないのだろうかーー。
「故障する原因は一つじゃないので、いろんなものが重なって起こっている。そこは自分の中で一つ一つ改善していっているので、新しい自分というか、去年と同じ体、同じフォームだったら同じことを繰り返してしまう。股関節の動きだったり、細かい部分から見つめ直してやっていけたらなと思います」(7月10日取材)
◆ ストレート、フォーク主体の投球に戻る
投球面では「良いものをどんどん使って」という考えで昇格直後はスライダーの投球割合が多かったが、6月14日のDeNA戦、4-2の7回先頭の勝又温史に2ストライクと追い込んでから3球目の137キロフォークで一ゴロに仕留めるなど、6月14日のDeNA戦以降はストレート、フォークの2球種のみの昨季に近い投球スタイルに戻った。
「理想には近いですね。まっすぐでカウントをとって、フォークでというところなんですけど、一番良いのは三振取れることだと思うので、まだそこの数は全然取れていないですし、伸びしろかなと思います」(6月18日取材)。
6月11日の中日戦、2-1の7回、先頭の石川昂弥に3ボール2ストライクから137キロのフォークを投げるも見極められ四球になったが、ストライクゾーンからボールゾーンに落ちるボールだった。あの球で空振りさせたかったのだろうかーー。
「あれはカウント負けしていたので、(カウント)23からの1球ファウル。良いところに投げたんですけど、あのファウルで変化球マーク、変化球を頭に入れているなというのを感じ取ってたら、また変わっていたと思います。だからこそ、最後の球も見逃されたので、カウント負けしないようなカウントを作っていくことをバッターの反応を見ながらなので、そこのセンサーというか、もう少し感じ取って投げられたらなと思います」
6月19日の楽天戦、8-4の7回二死一、三塁で黒川史陽に対し初球150キロの外角ストレートで空振り、2球目151キロの外角ストレートで空振り、3球目の135キロストライクゾーンからボールゾーンに落ちるフォークで空振り三振は、ストレートで追い込みフォークで三振の去年までの形。
「あのフォークは良い高さ、良いコースに行っていたので良かったと思います」
2-7の8回に登板した7月8日の日本ハム戦、田宮裕涼に1ボール2ストライクから投じた5球目のフォークは140キロを計測した。いつもよりもフォークのスピードが3、4キロ速かった。
「あれは試しているというか、スプリット系のサイドスピン系のフォークを試していて、自分が元々投げていたフォークじゃないので、お試しでという感じです。使えたらなという感じですね」
ここ最近の登板ではストレートで空振りが取れているのは良い。中森本人も「良いと思います。カウントを有利に持っていくのが、自分のピッチングの中で軸にしていることなので、まっすぐで早めにカウントを整えられれば、自分の投球スタイルに近づくのかなと思うので、そこは良いなと思います」と分析。
6月18日の取材で「ストレートはまだですね。ストレート自体が上がってこないと、変化球も良くならないので、まだですね」と話していたが、ストレートは戻ってきたと見て良いのだろうかーー。
「なんとかという感じですね。スピード自体も戻ってきていないというか、去年は結局怪我してしまっている。同じように戻ったら怪我をしてしまう。そこは考えながら、新しいスタイルを見つけていけたらなと思います」(7月10日取材)
夏場以降、チームが上位進出するためにも中森の活躍は絶対的に必要だ。「この夏は暑いですけど、風邪ひかないように体調を崩さないように健康第一でやっていきます」。故障なく健康でいれば、間違いなくリーグトップクラスの球を投げる。とにかく怪我なく、戦い抜いてほしい。
取材・文=岩下雄太