ロッテの藤原恭大が23日の中日二軍戦(ZOZOマリンスタジアム)で実戦復帰を果たし、ここまで復帰後2試合に二軍戦に出場している。
今季に向け、長打を狙う打撃スタイルを目指す中で、“首位打者”と“最多安打”のタイトルを目標に掲げてきた藤原はオープン戦で打率.385をマークし、開幕してからも4月3日のソフトバンク戦で1-2の9回二死二、三塁の第5打席、杉山一樹が1ストライクから投じた外角のストレートをライトオーバーのサヨナラ2点適時二塁打を放てば、同日のソフトバンク戦から4月21日のオリックス戦にかけて16試合連続出塁。
4月14日の取材で「今年はいいペースで(四球が)取れているので、打率じゃなくて、出塁率、OPSを求められる時代。しっかりこだわっていきたいと思います」と、安打が出なくても四球でしっかり出塁した。
春先、チーム状況が苦しい中で、藤原恭大の打席は希望の光だった。5月10日のソフトバンク戦、悪夢が訪れる。5回の守備中に右肩を痛め途中交代。福岡市内の病院で右肩関節前方亜脱臼と診断され、5月11日に一軍登録抹消された。
藤原が登録抹消後、最初のゲームとなった5月12日の日本ハム戦(ZOZOマリンスタジアム)で小川龍成、西川史礁の2人が第1打席に藤原の登場曲を使用。
西川はその理由について5月13日の取材で、「抹消される時も(藤原)恭大さんから2人で首位打者を獲りたいなと話はしていました。恭大さんから首位打者と最多安打の夢を託したよと言われて、嬉しかったです。最短で2ヶ月で帰ってきてもらって、自分も打って恭大さんに1打席でも多く回して、最終的には首位打者の争いができたらいいなと思って、登場曲もそれを聞いてそれにしました」と明かしている。
藤原は「(西川)史礁とキャンプからずっと言っていましたし、獲れる能力があると思う」と話し、「僕もまだ首位打者が獲れるような位置にいると思うので、戻れば史礁と争っていければいいなと思います」と、決意を述べた。
6月23日の中日との二軍戦、『1番・指名打者』で実戦復帰し、0-3の第1打席、涌井秀章が投じた初球のストレートを打ち上げるも、打球が風に流されショートとサードがお見合いする二塁打で復帰後初安打をマーク。続く1-4の3回無死走者なしの第2打席、涌井から四球を選んだ。この日は2打席立ち、1打数1安打1四球。
涌井との対戦では低めのストライク、ボールの見極めができているように感じた。実際に久々に打席に立ってみて、ボールの見え方はどうだったのだろうか。24日の試合前練習前に聞いてみると、藤原は「2打席しか立ってないですけど」と前置きをした上で、「悪くはないかなと思います」と話した。
スイングする際、「怖さはありますけど、そこはやっていくしかない。やりながら、やっていきたいと思います」とバットを振る中で怖さを払拭していく考え。
23日と24日の試合では守備には就かなかったが、「守備が問題なので、そこはうまいことやりながらという感じです」と、試合前練習ではセンターのポジションで打球捕を受けた。
24日の中日二軍戦は5回に『1番・指名打者』で先発していた岡大海の代打で出場すると、1-3の5回無死走者なしの第1打席、福田幸之介から四球を選び、2試合連続出塁。続く2-3の6回一死一塁の第2打席、森博人が1ボール2ストライクから投じた4球目の142キロのカットボールの前に見逃し三振、3-6の8回一死二、三塁の第3打席は、杉浦稔大が1ボール2ストライクを打ちにいき二ゴロ。その間に三塁走者・立松由宇が生還し打点を挙げた。この日は2打数0安打1四球1打点だった。
一軍は藤原が登録抹消後、5月13日の日本ハム戦後に今季ワーストの借金9まで膨れ上がったが、交流戦を10勝6敗2分で勝ち越すなど、現在33勝33敗2分と勝率5割だ。藤原は故障離脱中も、チームの戦いをテレビ観戦していたという。さらに上を目指す中で、藤原の存在は必要不可欠。実戦復帰したばかりで少し気は早いが、一軍に戻った時にどんな姿を見せたいか訊くと、「いい流れに乗っていけるように頑張りたいと思います」と回答。
振り返れば、藤原は2年前の2024年、3月のオープン戦で右膝蓋骨骨折により出遅れたが、6月28日に一軍初昇格を果たすと、大きな好不調の波がなく、打率.290をマークした。この時期にファームで実戦復帰し、そこから一軍復帰となれば、2年前のように打ちまくる姿を期待するファンは多い。
「(大活躍)できたらいいですけど、そんなに甘くないのがプロ野球。自分のやれることをまずはやりたいと思います」。1日も早い藤原恭大の一軍復帰をマリーンズファンはみんな待っている。現在藤原の一軍での打撃成績は、153打席に立って打率.297。ロッテは残り試合が半分近くある。規定打席に到達し、秋には西川史礁と首位打者を争っているそんな姿を期待したい。
取材・文=岩下雄太