
◆パ・リーグ ソフトバンク11―1ロッテ(11日・みずほペイペイ)
確かな感触が手元に残った。ソフトバンク・山川穂高内野手は「完璧ですね」と、余韻に浸りながらバックスクリーンに飛び込む打球を見送った。7点リードの無死一塁から放った10号2ランは、5月10日のロッテ戦(みずほペイペイ)以来124日ぶり。8日に1軍昇格した大砲が2安打2打点をマークし、復活の一歩を踏み出した。
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2軍生活は、約3か月間も続いた。打率1割7分5厘、9本塁打という打撃不振で6月1日に登録抹消。自分と向き合う期間にもなった。「今年で35歳。今まではどんなにしんどくても自分の心と戦って、奮い立たせてやってきたところがあったけど、これからは『整える』感覚にしていこうと思った」と、考えも変化してきた。
トレーニングも変化した。大宜見2軍トレーナーとともに筋力強化に着手した。「若い頃は結構トレーニングしなくても、ボールが飛んでいた」と、重点を置いてこなかった。これまで本拠地での試合日は、開始6時間前の正午頃から始める特打がルーチンだったが、1軍復帰後は、その時間を筋トレに割く。「若い頃に死ぬほどバットを振ったから」と、今の自分に必要なものを模索してきた。
8月中旬には目の感染症で約2週間、離脱した。隔離状態でもトレーニングは欠かさなかった。「ずっと(西武時代に)中村さん、栗山さんを見てきた。ギータさん(柳田)もそうだけど、プロである以上、打撃を追求していったり、技術向上に努めていくことにかわりはない」。復帰まで、一日も無駄な日はなかった。
この日の復活ののろしを上げる一発は「ボールを潰して厚みのある打球」と独特の表現で振り返った。「缶を真下に潰すと気持ちいいじゃないですか。スパン、と。あの感じです。角度がズレることがないように入っていけば、今日みたいな打球がきっと打てる」と手応え十分。チームの優勝マジックは1ケタの「9」となった。リーグ3連覇は目前だが、間に合った。本塁打王4度の大砲が、ここから日本一連覇への力となる。