
◆パ・リーグ 楽天12―8オリックス(16日・楽天モバイル最強パーク宮城)
不振にあえいでいた楽天の浅村栄斗内野手が逆転満塁本塁打を放ち、勝利に導いた。
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浅村が全てを吹き飛ばした。白球は気持ちよく、伸びていった。2点を追う6回1死満塁。初球だ。岩崎の真ん中直球を引っ張った。完璧だった。打った瞬間、歩いて見届けるほど手応えがあった。左翼席へ飛び込む逆転の7号満塁アーチ。これを見たかった。これを待っていた。「こんな成績で監督が使い続けてくれいるので、何とかしたかった」。苦しんできたベテランが試合を決めた。
暗いトンネルにいた。3、4月は好スタートを切ったが、徐々に成績が下降した。6月は打率1割6分1厘で1本塁打、7月もこの日の試合前時点で打率0割8分8厘と大苦戦。長打もなかった。「なかなか苦しかった」。極度の不振にあえいだ。
それでも、下を向くわけにはいかなった。苦悩する中でも周囲のサポートがあったからだった。「監督、バッティングコーチのお二人、裏方さんも、みんなが本当にずっと気にかけてくれた」。山下打撃コーチとは前カードのソフトバンク3連戦の試合後に毎日電話で対話を重ねた。3日で計150分超え。「彼女でもないのに…」と照れ笑いするが、その熱い献身に魂が震えないはずがなかった。「ありがたいの一言」。支えに応えたかったこそ、バットを振る手を止めなかった。もがき苦しみながらつかんだ待望の一発。「自分が打ってうれしいというよりも、そういう人たちが報われたような結果が出たことが大きいですね」。恩返しのアーチに安堵(あんど)した。
主砲のひと振りでチームは同一カード3連勝。浅村をスタメン起用し続けた吉井監督は「良かったです。あの一発で勝ちました」と称賛し、「まだまだこんなもんじゃない。このまま終わってしまう選手ではない」と期待を込めた。浅村も同じ気持ちだ。「オリックス3連戦は自分の中でもそんなに悪くなかった。あとは前に飛ばせるかどうか。そのあたりが良くなれば、絶対に打てると思う」。頼りになるベテランが復活ののろしを上げた。(宮内 孝太)