
◆パ・リーグ 日本ハム1―2西武(10日・エスコンフィールド)
一振りで流れを一変させた。西武・桑原将志外野手(32)が逆転勝ちを呼び込む値千金のアーチをかけた。0―1の7回1死。伊藤の初球のスライダーを左中間席に運んだ。4月17日の日本ハム戦(エスコン)以来出場34試合ぶりの3号同点ソロが呼び水となり、8回にネビンの決勝犠飛につながった。この一発が出るまで26打席連続無安打と絶不調だっただけに「本当にすごく迷惑かけましたし、これからまた一つ一つ、チームのために貢献していけたら」と謝罪の言葉が出た。
“どん底”にいても前を向く。これが桑原の信条なのだろう。「構えからしっくりきていなかった。結構、重症」と極度の打撃不振に陥りながらも「毎日、今日こそは、と思いながら挑んでいた」と腐らなかった。同じ移籍組の平沢が「桑原さんは(自分の)状態が悪くても励ましてくれることも多い。救われている部分はある」と証言したように“ムードメーカー”の支えに感謝する仲間は多い。
1日に東京から福岡に移動して臨んだソフトバンク戦(みずほペイペイ)を手始めに、神戸→大阪→沖縄→北海道を縦断して帰京する、総移動距離約6000キロの大遠征中だ。疲労蓄積も想像に難くないが、ガッツマンは「そこは言い訳できない。目の前の試合をどう勝つかだけ」と頼もしい言葉で締めた。負ければ3位転落の危機を救い、首位ホークスに2差に詰め寄った。DeNAで24年の下克上日本一を知る男が、西武特急の勢いを再加速させる。(長井 毅)