WBC日本代表の一員として、日本の野球ファンをワクワクさせたロッテ・種市篤暉は、マリーンズファンをシーズン通してワクワクさせるつもりだ。
種市はWBCの戦いを終え、チームに戻ってからは4月3日のオイシックス戦でWBC後初登板。3回・38球を投げ、0被安打、6奪三振、0与四球、0失点に抑えると、中6日で4月10日の日本ハム二軍戦に先発し、5回・72球を投げ、2被安打、7奪三振、1与四球、0失点にまとめた。
WBCでの登板は3試合いずれもストレートとフォークのみで、スライダーを1球も投げなかったが、二軍戦でスライダー、カーブといった曲がり球を投げた。イニングと球数もWBCでは3月7日の1次ラウンド・韓国戦が1回・15球、3月8日の1次ラウンド・オーストラリア戦が1回・11球、現地時間3月14日の準々決勝・ベネズエラ戦で2回・34球と、最も多く投げた登板で2イニングで、球数も34球だったが、WBC後きっちりとイニング数、球数を投げて、満を持して4月17日の楽天戦で今季初登板・初先発した。
この日のストレートは0-0の初回一死走者なしで小深田大翔を2ストライクから見逃し三振に仕留めた3球目の外角151キロストレート、0-0の3回一死一塁で中島大輔に1ボール2ストライクから見逃し三振を奪った8球目インコース151キロストレート、0-0の7回先頭の村林一輝に1ストライクから投じた2球目の外角147キロ見逃しストレートが素晴らしかった。
「ある程度狙ったところにいけているので、良いと思いますけど、終盤も同じ球速帯で投げられるように、メカニックが一番だと思うので、はい」と振り返った。
WBCからも戻ってからの投球を二軍戦含めて見ると、右打者の外角のストレートが抜群に良い。種市本人は「右に限らず全体的に感じは良いかなと思います」と好感触。
初回、小深田に対し初球122キロカーブで見逃し、2球目の151キロストレートでファウルにし追い込み、フォークを意識している中で、ストレートで見逃し三振を仕留めたのは良かった。
「あそこの配球は良かったんですけど、1打席目に見逃し三振して、2、3打席目以降、真っ直ぐを意識してくれているかなと思った中で、変化球を低めに2安打された。その前のカウント球のファウルを見て、真っ直ぐを通せるなというのをもっとキャッチャーだけじゃなくて、僕も気づけるようにしていかないといけないなと思いましたね」と反省。
小深田の対戦を振り返ると、0-0の3回二死一塁の第2打席、2ボール2ストライクから7球目の142キロフォークをライト前に運ばれ、0-0の6回無死走者なしの第3打席、2ストライクから134キロのスライダーをセンター前に安打を許した。
最大の武器であるフォークは、0-0の3回二死一、三塁で辰己涼介に2ボール1ストライクから空振りを奪った4球目の143キロフォークはストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。
フォークに関して「全体的に良くなかったなというのが印象かなと思っています」とポツリ。
0-0の5回一死走者なしで阪上翔也を1ボール2ストライクから5球目の140キロのフォークで二ゴロに打ち取ったが、あの球で本当は三振を仕留めたかったのだろうかーー。
「本来であればまっすぐでいくべきだったなと。2ストライクの時点ですごくフォークマークで入っていたのがわかっていたので、そこは低めの真っ直ぐを通るなと阪上選手、小深田選手、そこが前回の配球の良くなかった点かなと思います」
左打者のカウント球に投げていたカーブについては「パーセンテージを5%くらいで投げたいと思った中で、変化球の割合がいい配分で投げられているんじゃないかなと思っています」と満足した。
昨季夏場以降“無双”の投球を見せ、今年に入ってからはWBC日本代表の一員として、その存在価値を世界の舞台で大きく高めた。WBCを経て、マリーンズファンのみならず、プロ野球ファンも種市の圧倒的な投球、支配的な投球を期待している。そこに関してプレッシャーはあるのだろうかーー。
「プレッシャーは全くないですね。逆にもっと成長しないといけないなという部分がすごく増えたので、そこに関してもっと伸びしろを僕も感じた。今シーズン中でも技術を変えたり、変化球の握りだったり、どうやったらコントロールが良くなるかのを考えながらやれているのはすごく楽しいなと思っています」
種市篤暉はプロ入りしてからの向上心は全く変わることはない。より良い投球をしようと常に進化し続ける。
取材・文=岩下雄太