
◆パ・リーグ ソフトバンク6―4日本ハム(28日・みずほペイペイドーム)
すごみを増した若手右腕を、貫禄で打ち砕いた。ソフトバンク・近藤健介外野手(32)が、2点を追う5回2死満塁、カウント2―1から、1度打席を外して間を置き、直後に148キロの外角直球を強振した。右中間に運び、走者3人が生還。「(達は)去年より球も強くなっていた。高い集中力で、ひと振りで仕留めることができた」と、逆転二塁打にうなずいた。
この日、初めて三塁に走者が進んだ状況だった。ワンチャンスをものにした打席。優勝を争う日本ハムを相手に、就任後初の開幕2連勝を飾った小久保監督は「集中力。さすがだなと思いました」と最敬礼した。
近藤は2大会連続でWBCに出場したが、チームは準々決勝でベネズエラに敗れ、自身は13打数無安打と苦戦。それでも、現実を「伸びしろ」と受け止め、帰国後の19日には「けがなく一年間戦うことと、リーグ3連覇、2年連続日本一。今はそこに気持ちを切り替えて貢献できるように」と、シーズンに思いを向けていた。
速球に対応するため、上体を下げすぎない新フォームにも手応えだ。4回1死でも三塁線に二塁打を放ち、マルチ安打を記録した。ともに直球をたたき「結果がついているので、いいのかな」と好感触。27日の開幕戦では1号ソロをマークし、上々の滑り出しだ。
試合後、WBCでの不振についての話題に、小久保監督は「その話、もうよくないですか?」と呼びかけた。改めて「年間(先発で)3試合無安打なんか誰にでもあるんでね。それがあの時(WBC)に来ただけ。技術がある選手なので、全然心配していなかったですよ」と、全幅の信頼を口にした。誰もが認める天才打者。自身が描く最高到達点へ、どこまでも突き抜ける。(森口 登生)