侍ジャパン・種市篤暉「“千葉ロッテの選手はいいぞ”と思われるくらいのピッチングをしたい」WBCに向けシーズンオフは例年以上に野球に時間を費やす

ベースボールキング

侍ジャパン・種市篤暉
侍ジャパン・種市篤暉

 侍ジャパンの種市篤暉(ロッテ)は2月27日に行われた『ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2026名古屋 侍ジャパン vs 中日ドラゴンズ』、4-0の4回に登板し、1回・11球を投げ、0被安打、1奪三振、無失点、ボスラーの初球に自己最速の156キロを計測するなど、完璧な投球を披露した。

 この登板を改めて振り返って、WBC球のアジャストを含め、シーズンオフの期間、覚悟を持って最高の準備をしてきたように感じた。種市本人は、「オフは早めに動き始めていたので、不安なく石垣島のキャンプにも入れました」とサラリと答えたが、新人時代から変わらぬ“向上心”と“探究心”を持っており、WBCに向けて頭を使って考え、頭で考えたことを自身の体に落とし込む作業をいつも以上に入念に行ったはずだ。

 その中で気になったのが、WBCに向けた準備もある中で、シーズンオフの期間に自身がやりたい練習、日々のルーティン練習などを行う時間はあったのかどうかーー。

 「オフは常に1日中練習していたので、リラックスしていないと言ったらアレですけど、ほぼほぼ野球に1月は費やしていたかなと思います」。

 上手くなりたいという向上心で、常に野球のことを考えてきた。いつもより野球について考える時間は多かったのだろうかーー。

 「毎年フィジカルをメインでやっていた中で、そこはちょっと落としてWBCで早いので。メカニック、技術メインでやっていました」。

 映像を見ると、投球フォームは変わったように見える。本番を前に細かく聞くのは筆者も流石に躊躇し、投球フォームなどで変えた部分はあるのか、ふわっとした質問をぶつけた。種市は「いろいろあります。言える範囲というよりは細かい部分、人体構造の勉強からしたり、そういった面からいろいろフォームを考えてやっていました」と明かした。

 それはWBC球や、硬いマウンドに対応するためなのだろうかーー。

 「そうですね、滑るボールなので肘を前に出してしまったら、どうしてもボールに圧がかからないので、その中でどう投げたらいいか、千賀さんを含め、アメリカでもいろいろ勉強しながらやっていました」。

 種市が若手時代から慕う大先輩・千賀滉大(メッツ)にWBC球の対応など、何か助言はあったのだろうかーー。

 「メカニックの部分がほとんどです。どうやったら滑らないフォームになるか、どう言った部分をほぼ2ヶ月間やっていました」。

 昨年の8月以降は力強いストレートを投げ、2月27日に行われた中日との壮行試合では、WBC球でも昨年の夏場以降に近い球を投げていた。

 ただ本人は「スピードに関しては、すごく良かったと思います」としながらも、「(昨年)シーズンの後半みたくボールをもっと叩いて、変化量を出す部分はもうちょっとかなと思っています。ボールが大きいので、手前で離れていく感覚があるので、しっかりボールに圧をかけられるようにという感じです」と課題を口にした。

 昨季などはストレートが良いと、フォーク、縦に落ちるスライダーなど相乗効果で全ての球種がよく感じた。「ストレートが良いので、変化球もよく見えていると思います」とのことだった。

 変化球で気になるのは、フォーク。24年は同年5月29日のヤクルト戦、0-1の4回一死走者なしでオスナを0ボール2ストライクから空振り三振を奪ったインコース143キロシンカー系フォークをはじめ、右打者のインコースにシンカー系のフォークで三振を奪うケースが多かった。ただ、昨年はインコースシンカー系のフォークで三振を奪うというよりも、ストンと落ちる落差の大きいフォークで空振りを奪う場面が目立った。

 シンカー系のフォークはあまり投げていかない考えなのか確認すると、「今は(シンカー系のフォークは)意識していないです。真下に落とすことを意識している感じですね」とキッパリ。

 侍ジャパンに選出されていた平良海馬(西武)、石井大智(阪神)、松井裕樹(パドレス)といった故障による出場辞退が相次ぎ、種市は大会本番でのかかる期待はかなり大きくなった。日本の代表として、世界各国の打者と立ち向かっていくわけだが、もちろんマリーンズの代表として戦う気持ちも持っている。「(ロッテからは)一人だけなので、“千葉ロッテの選手はいいぞ”と思われるくらいのピッチングをしたいと思います」と決意を述べた。

 最後に世界の野球ファンに“TANEICHI”の名前を轟かせる準備はできたか訊くと、「いい感じで調整ができているので、あとは自分のパフォーマンスを出すだけかなと思います」と頼もしい言葉が返ってきた。

 WBC開幕まで1週間を切ったーー。種市篤暉は、最高のパフォーマンスを披露する準備をこのシーズンオフ、いやプロ野球選手になってから上手くなりたいという向上心を常に持って、日々コツコツと積み上げてきた。あとは、本番で支配的な投球を見せるだけだ。

取材・文=岩下雄太

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