2死1、3塁の場面で登板。「いつもの倍手汗が出た」
3月16日東京ドームで行われた、カーネクスト2023WBC東京プール準々決勝。
それまで好投を続けていた先発大谷翔平投手が、5回表に2点を失いなおも2死1、3塁のピンチに。絶対的エースの後を受けて登板したのは、北海道日本ハムの後輩である伊藤大海投手だった。
「2アウトであと1人という場面だったので、思い切ってバッターだけランナー(の動きを)気にせず、でも返さないぞという気持ち。集中していました」と伊藤投手。
しかし2球続けてボールと、ボール先行の投球に「最近のゲームでもボール先行がなかったので、ちょっと『あれっ』という感じはありましたけど、ここで引いたら負けだな、と」と緊迫した場面を振り返る。代名詞でもあるロジンもこの日は大量に舞った。「いつもの倍手汗が出てしまって、無意識にロジンに手が伸びました」と苦笑い。7球目でショートフライに打ち取り、見事火消しに成功した。
ベンチで出迎えた大谷選手に、“頭ポンポン”で労われたことに「うれしかったですね」と野球少年のような表情を覗かせるも、「ピッチャーが途中でマウンドを降りたときの悔しさはわかる。第1ラウンド、いろんな活躍でチームをひっぱってくださった大谷さんの自責にならないように、絶対カバーするんだという思いはありました」と1死残して降板となった先輩を慮った。
こういった緊迫した場面での登板が今後もあることが想定されるが、「ああいう場面で投げられることは、ピッチャーとしてうれしいこと」と頼もしさを見せる。WBC東京プールを経験し、一回りも二回りも大きくなった伊藤投手に、マイアミでも期待したい。
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