メットライフドーム改修 第一弾! 12球団最大級・唯一無二の設備がお披露目

パ・リーグ インサイト

2019.7.12(金) 08:00

目玉のひとつ「ライオンズ チームストア フラッグス」は7月15日にグランドオープンする【写真提供:埼玉西武ライオンズ】
目玉のひとつ「ライオンズ チームストア フラッグス」は7月15日にグランドオープンする【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

 2017年12月から始まった、埼玉西武ライオンズの本拠地・メットライフドームエリアの改修工事。先月、ついにその「第一弾」となる各施設が竣工を迎え、今月から稼働する運びとなった。対象は「新室内練習場」「新若獅子寮」「ライオンズ チームストア フラッグス」「オフィス棟」の4箇所。稼働に先立って行われた内覧会で、報道陣を案内した松井稼頭央二軍監督が「(現役選手が)正直うらやましい」などと語った、各施設について紹介しよう。

ライオンズトレーニングセンター外観【撮影:沼田悟】
ライオンズトレーニングセンター外観【撮影:沼田悟】

ファンも見学可。12球団最大級のトレーニングセンター

 今回完成した新施設はすべて、旧施設とは別の場所に新しく建てられている。新室内練習場「ライオンズトレーニングセンター」に初めて訪れた方は、まずその巨大さに圧倒されるだろう。

トレーニングセンターの内部【撮影:沼田悟】
トレーニングセンターの内部【撮影:沼田悟】

 室内練習場の内部は、メットライフドームにそっくりだ。それもそのはず、メットライフドームと同様のミズノ社製の人工芝を採用しており、あえて雰囲気も似せているとのこと。50m四方の内野フィールドエリアに、ゆとりのある横幅4メートルのブルペンが5レーン、バッティングが4レーン。いずれも12球団最大級という規模を確保したことで、スペースの順番待ちが解消され、より実戦形式の練習が可能になった。

 また、監督室からセンター全体が見渡せる造りになっており、松井二軍監督は「僕はこれがお気に入り」とニヤリ。同時に、ファンが練習風景を見学できる「ファンデッキ」も設置されたため、選手は監督とファンの視線を受けながら練習に励むことになる。

新若獅子寮の玄関口【撮影:沼田悟】
新若獅子寮の玄関口【撮影:沼田悟】

快適な「新若獅子寮」。とことん野球に打ち込める工夫が多数

 生まれ変わった選手寮「新若獅子寮」も、白く巨大な建物で、全4階層からなる。

 寮は、上記のトレーニングセンターとつながっており、1階は「トレーニングルーム」を備えている。フィジカル面の強化を図る高性能マシンが多数設置されており、松井二軍監督は「僕も(設備を)活用して、選手にプレッシャーをかけていく」と笑顔だった。人工芝のフリースペースが確保され、選手それぞれに合ったトレーニングも行える。

トレーナールーム(左)とバスルーム(右)【撮影:沼田悟】
トレーナールーム(左)とバスルーム(右)【撮影:沼田悟】

 同じフロアにフィジカルケアを担う「トレーナールーム」「バスルーム」も併設されており、以前の約2倍の規模というトレーナールームには施術用ベッドが7台設置され、バスルームにはサウナと水風呂が完備されている。トレーニングとケアが同じスペースで行えるのは、選手にとって非常にありがたいだろう。

 2階には先述の監督室のほか、ミーティングルーム、スコアラールーム、「選手ロッカールーム」がある。

広大なロッカールームの一角【撮影:沼田悟】
広大なロッカールームの一角【撮影:沼田悟】

 ロッカールームは、一・二軍に在籍するすべての選手のロッカーを備えている。MLBで採用されている「IXPASS Sports Locker」をNPBで初めて導入したとのことで、抜群の座り心地を誇るイスもこだわりの品だ。長い時間を過ごす場所でもあるだけに、選手のモチベーションに好影響であることは間違いない。また、一軍と二軍の選手が交流できるため、刺激を与え合う格好の場にもなるはずだ。

「選手食堂(CAFETERIA)」【撮影:沼田悟】
「選手食堂(CAFETERIA)」【撮影:沼田悟】

 3階にあるのは、清潔であたたかみのある空間「選手食堂(CAFETERIA)」。管理栄養士による栄養面を考慮した食事が提供されるだけでなく、それぞれの選手に合わせた指導も行うため、食事への意識がより一層高まりそうだ。選手の憩いの場となることも重視したとのことで、若い選手を預かる球団の親心が垣間見えた。

選手が寝起きする寮の一室※居住スペースの稼動は7月12日予定【撮影:沼田悟】
選手が寝起きする寮の一室※居住スペースの稼動は7月12日予定【撮影:沼田悟】

 そして4階にある「選手居住エリア」は、旧若獅子寮の20部屋から28部屋に部屋数を増設した。ベッド、デスク、チェスト、広々としたクローゼットを備え、窓から西武第二球場を臨める部屋もある。なお、旧室内練習場、旧若獅子寮は8月より解体し、そのスペースにはサブグラウンドやブルペンを新設するという。

昼間・通常時の「ライオンズ チームストア フラッグス」【撮影:沼田悟】
昼間・通常時の「ライオンズ チームストア フラッグス」【撮影:沼田悟】

スタイリッシュかつ非日常感満載のグッズショップに注目!

 新大型グッズショップ「ライオンズ チームストア フラッグス」は、メットライフドームエリアに点在していたショップを集約した、2階層の大型旗艦店だ。駅からドームへの主導線上に位置し、7月15日にグランドオープンする。

 中には、球場というよりテーマパークのショップのようなエンターテイメント性に溢れた空間が広がっている。1階は主にライオンズグッズを取扱っており、2階はビジターグッズやレプリカユニホームの圧着サービスなどのコーナーが設置されている。

 しかし、最大の注目ポイントは外観だと言ってもいいかもしれない。ストアのガラス面には、広大な映像空間を生み出す透過性特殊LEDガラス「G-Smatt GLASS」が2面装備されており、夜になると、圧巻の映像演出で球場外を盛り上げてくれるのだ。オリジナルの映像やイベントに合わせた変幻自在のデジタルデコレーションが施される未来的外観は、12球団の中でもここでしか見ることができない。

夜間の「G-Smatt GLASS」の放映時【写真提供:埼玉西武ライオンズ】
夜間の「G-Smatt GLASS」の放映時【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

 2021年には場内のビジョンと接続し、試合と連動したコンテンツも楽しめるとのこと。試合そのもの以外の部分でも、野球と球場の魅力、非日常感、ワクワク感が味わえそうだ。

 今回、報道陣とともに各施設を回った松井二軍監督は、とりわけトレーニングセンターの設備には感嘆したようで、「選手がうらやましい」と正直な感想を口にした。「ファームの選手は、この立派な施設でまずは努力し、経験をたくさん積み、私としては、メットライフドームで活躍できる選手をひとりでも多く輩出できるように、選手育成の部分でより一層力を入れていきたいと思います」と、頼もしいコメントも。

 メットライフドームエリアの改修は2021年3月まで続く。進化する姿、そして洗練された施設の恩恵を受け、さらに強くなるチームの姿を、今後も注視していきたい。

◆各施設の稼働予定日
・新室内練習場「ライオンズ トレーニングセンター」 7月9日
・新選手寮「若獅子寮」7月9日(※)
・新大型グッズショップ 「ライオンズ チームストア フラッグス」7月15日
・新オフィス棟「西武ライオンズ オフィス棟」7月24日
※若獅子寮内のトレーニング施設の使用が可能。
居住スペースの稼動は7月12日予定。

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