【ソフトバンク】背番号9が「奇跡」の逆転サヨナラ3ラン「しっかり自分にムチ打ってやってます」

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2024.4.30(火) 05:00

9回2死一、二塁、柳田悠岐(中央)が逆転サヨナラ3ランを右中間に放ち、ホームイン後にガッツポーズ (カメラ・馬場 秀則)

◆パ・リーグ ソフトバンク5×-4西武(29日・みずほペイペイドーム福岡)

 弾道を見つめると、バットを捨てて一塁ベンチに向けて右拳を突き上げた。2点ビハインドの9回2死一、二塁。柳田がまさかまさかの逆転サヨナラ2号3ランを右翼テラスに放り込んだ。待ち構えるナインを「うれしそうやな」と冷静に見つつ、ジャンプで本塁を踏みつけると、頭と言わず背中と言わずポカポカ叩かれまくった。「奇跡が起きた~!」。男前な絶叫が日本最西端のドーム球場を震わせた。

 劇的な一撃が、チームを1989年の福岡移転後、節目の2500勝(2197敗149分け)に導いた。お立ち台の背番号9は「歴代の素晴らしい先輩方が積み上げられた記録。3000勝、3500勝の時に生きていたいと思います」と冗舌。かつて9番を背負った小久保監督も、「映画でもちょっとくさすぎる展開」と目の前で起きたことが信じられない様子だった。

 主軸打者として福岡のホークスを率いてきた新旧の背番号9。小久保2軍監督が昨オフ、1軍指揮官に昇格した直後、何やらモジモジした様子のギータが現れた。「小久保さん、背番号9じゃなくていいんですか? (日本ハム監督の)新庄さんも1番をつけてるじゃないですか」。引き続き「90」を選択したレジェンドは意外な申し出を「過去はどうでもいい。もうオマエの番号だから」と笑顔で断った。

 西武戦は開幕から2カード連続3連勝。ゴールデンウィーク(GW)が事実上スタートした27日、「みずほペイペイ」と名称変更してから無傷の3戦連続サヨナラ勝利だ。柳田は「毎日仕事してるんで(GWの)楽しみ方を教えてほしい。予定のない方は野球を見てバカ騒ぎしてください」と呼びかけた。ホークスひと筋14年目の35歳。「しっかり自分にムチ打ってやってます」。7年契約最終年の2026年には指揮官が鷹のユニホームを着た「16年」に並ぶが、もちろんフルパワーで“通過点”にする。(田中 昌宏)

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