CPBL(台湾プロ野球)のLamigoモンキーズから移籍し、これまで28試合に出場、打率.283、1本塁打、16打点(5月17日時点)という成績で、日本球界に順応しつつある王柏融選手。彼の活躍は、台湾メディアの目からはどう映っているのか。パシフィックリーグマーケティングと2019年シーズンから放映権契約を結んだFOXスポーツ台湾(以下、FOX)と、台湾4大新聞の一翼、蘋果日報の記者に尋ねると、冷静な意見が返ってきた。
FOXのディレクターが知る、王柏融選手の人柄
王選手は、台湾国内でもインフルエンサーとなっており、パ・リーグを中継しているFOXのシニア・ディレクターで、長年NPBの動向を見ている劉彩樺さんは、
「NPBの開幕戦が行われた週末は、100万人を超える人がFOXを通して試合を見ており、歴史的視聴数を記録。CPBLのそれを上回るほどでした。王選手への期待がとても高かった分、開幕戦でヒットが出なかった時にファンはとても心配したのですが、2戦目以降の活躍後、CPBLのファン、特にLamigoファン以外のファンが、王選手を見るためにどんどんFOXスポーツにチャンネルを合わせています。FOXは台湾におけるケーブルテレビの基本パッケージにおいて100%浸透しているので、市場の新規開拓は簡単ではありません。しかし王選手やNPBを見るためにFOX+(FOXスポーツのスマホアプリ版)の加入者が増えていくと予測されますし、そうなればいいですね」と劉さんは答えた。
「王選手効果」は台湾国内だけにとどまらない。過去には台湾出身の陽岱鋼選手が注目されたが王選手によるマーケティング効果は陽選手を大きく上回るものであると予測される。
劉さんは「実際の統計はないものの、台湾のファンは王選手きっかけでNPB球場に訪れたいと思うようになると思います。視聴率的に、実際に王選手はたくさんの新しい台湾の野球ファンをNPBに呼び込んでいると考えられます...