初回に先制3ランを浴びるも粘りの投球でその後は無失点
コロンビアで行われている野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC U-23ワールドカップ」は26日(日本時間27日)、スーパーラウンド第2戦が行われ、大会連覇を狙う日本はオープニングラウンド全勝対決となったベネズエラを6-3で下し、28日(同29日)に行われる決勝進出を決めた。先発の種市篤暉投手(千葉ロッテ)が8回8安打3失点、117球、8奪三振の粘投。8回裏に日本が3点を勝ち越し、勝ち星が転がり込んだ。
「初回に3ランを打たれたが、昨日、中継ぎをいっぱい使っていたので、最低でも6、7回くらいはいきたいなと思っていた。ピンチは何回もあったが『絶対に点を取られない』という気持ちでずっと投げた。いつか(打線が)援護してくれると信じていた。8回まで粘れたのはよかった。ベネズエラはすごく振ってくるので、力負けせずに投げられたのはよかった。堀内さんが打ってくれて(ベンチで)すごい騒ぎました」
この日のベネズエラのスタメン9人の内訳は、メジャー傘下2A所属が2人、A所属が4人、ルーキーリーグ所属が3人。そんな中、「ベネズエラが一番強いチームだと思っていた」という種市は初回につまづいた。安打と四球を許し、2死一、二塁のピンチを招くと、今季カージナルス傘下所属で、ルーキーリーグで59試合14本塁打の5番レアンドロに左越え3ランを献上。早々と先制点を許した。
8回のピンチでは一発を浴びたレアンドロを三ゴロに仕留めリベンジ
だが、2回から立ち直った。3回を除き、8回まで毎回のように走者を出し、相手にチャンスを与えたが、粘りの投球で本塁は踏ませず。8回には2死二塁の場面でこの日1発を浴びているレアンドロを迎えると、建山義紀投手コーチがマウンドに向かった。「(勝負か敬遠か)どっちでもいいぞ」。だが、強気の種市は「自分は勝負したかった」と、迷わず対決を選択。レアンドロを三塁ゴロに仕留ると、喜びを露わにし、ベンチに向かった。
稲葉篤紀監督は「うまくインコースを使いながら、ピンチで非常に冷静な投球をしてくれた。本当に粘り強く投げてくれた。(8回も)あのイニングは種市しかいない。(1発を許したレアンドロと)勝負すると言ったので、球数も結構いっていたが、種市を信じようと思った。しっかり抑えてくれてよかった」と、右腕の粘投を評価。
女房役の堀内謙伍捕手(東北楽天)も「調子はあまり良くなかったと思うが、要所要所で頑張ってくれたのでよかった」と、良くないなりに試合を作った右腕を労った。これで日本はスーパーラウンド4勝0敗とし、1位での決勝進出が決定。種市は7回失点だった20日のオープニングラウンド、チャイニーズ・タイペイ戦に続き、2勝目となる白星を手にした。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)
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