待ちに待ったプロ野球が開幕！　今シーズンは延長戦を行わず9回で打ち切りなど、withコロナ時代のプロ野球シーズンがスタートした。

　そんな開幕を控えた去る3月20日、福岡ソフトバンクやMLBで活躍した五十嵐亮太さんを招いて、パシフィックリーグマーケティングとシスコシステムズ合同会社による「パーソル パ・リーグTVトーク2021 開幕編」が実施された。

　イベントではシスコシステムズ合同会社のWeb会議システムである「Cisco Webex」を用いて、五十嵐さんのトークのほか、アンケート投票や質問コーナーなど、ファンとのコミュニケーションも実現。日米のさまざまな環境で活躍してきた五十嵐さんと、侍ジャパンのスタジアムDJなどを歴任したDJケチャップさんによる軽快なトークに、予定時間をオーバーして大きな盛り上がりを見せた。

五十嵐選手が語った、2021年シーズンに期待する選手、注目ポイントとは？

【北海道日本ハム】杉浦稔大のクローザー転向が上位浮上のカギ

　杉浦稔大投手は先発から抑えに転向するということですが、力のある真っすぐもありますし、変化球も力があるので、シーズンを通してどう投げ切っていくのか楽しみですね。抑えは先発に比べて肩を作る回数が多くなりますが、最初は、準備をしたいから無駄に作っちゃうことが多いので、そのあたりをどう削っていけるかというところがコツだと思います。そういった調整は慣れていくしかない。今の時代、中継ぎと抑えが安定していないと、チームとしてシーズンを戦っていくうえでかなり苦しい。彼がしっかりハマってくれれば、シーズンの見通しが立つので、大きく順位を動かすくらい重要なポジションですね。

　清宮幸太郎選手には、昨シーズンのオープン戦でホームランを打たれたことがあって。悔しかったですけど、すごくいいホームランだったので、活躍してほしいですよね。実は僕、清宮選手には彼が小学生くらいの時に会っているんですよ。本当に優しい感じの青年なので、ガツガツ、ドンドンやってもらいたいですね。中田翔選手は、対戦して嫌な思い出しかないですけど、今はあの豪快なホームランを見たいですね。あとは、西川遥輝選手。MLBへの思いで揺れたと思うけど、チームに戻ってより一層ファイターズ愛が強くなっていると思います。さらなる活躍をしてくれるんじゃないでしょうか。

【楽天】盤石なピッチャー陣がキャッチャーを育てる

　田中将大投手はキャンプ中あまり状態が良くなかったけれど、あれはアメリカと日本のマウンドの差だと思います。キャンプ地のマウンドは非常に柔らかく、低く感じることがあるので、本来のパ・リーグの球場であれば、どんどん今までの経験やポテンシャルが生きてくると思います。アメリカでも結果を残してきた対応する能力、器用さがあるっていうのは、日本に帰ってきても何の問題もないと思います。向こうで対応できて、こっちに戻ってきて対応できないってことはまずないので、最低10勝は期待したいですね。先発陣は涌井秀章投手や則本昂大投手などがそろっているので、一番のキーは抑えですね。松井裕樹投手が抑えに再挑戦ということで、そこがうまくいけば、かなりの確率でイーグルスは上位にいくと思います。

　野手ではキャッチャーが不安視されていますけど、関係ないくらいにピッチャーがそろっているので。もちろんキャッチャーの経験は大事だけど、いいピッチャーと経験を積むことでキャッチャーの発想とか感覚とかも変わってくると思います。ピッチャーがキャッチャーを育てる感覚ですね。

　それと、石井一久監督がどんな采配をするのか気になります。GM兼監督なので、シーズン中に優勝が見えてきた時に、MLBみたいにどんどんトレードする可能性もあるので、その辺も楽しみですね。

【埼玉西武】高橋光成の変化に注目！

　ホークス時代、ライオンズは嫌な存在でしたね〜。特に夏場以降めちゃくちゃ強くて、気づいたらすぐ後ろにいる。それが嫌でしたね。

　今年のライオンズ、ピッチャーが心配ではありましたけど、いいですね。高橋光成投手のイメージがすごく変わってきていて、僕の知っている高橋投手の投げ方じゃない。角度のあるいいピッチングで、力強さもあって、体もかなり大きくなっているように感じました。年間戦っていく上では体力も大事なので、それをクリアしていけそうな気がしますね。

　野手の注目選手はいい選手がいっぱいいすぎて選べないですけど、栗山巧選手かっこいいですよね。2000安打まであと74本（3/20時点）。達成を見たいですね。

【千葉ロッテ】“令和の怪物”はほったらかしにした方がいい!?

　やっぱり佐々木朗希投手は気になりますよね。球団は彼をすごく大事に扱っていて、なかなかない例です。速い球を投げるピッチャーは怪我をする可能性が高くなってしまうので、その辺も考えてしっかり体を作って投げていってもらいたいですが、僕はある程度ほったらかしにしたほうがいいのではって思っちゃいますね。それで大怪我をしたらいけないけれど、ある程度自分でやっていって、これじゃよくないのかなって感じながらやっていくことも大事だと思うので。フォームはきれいだし、体の使い方はすばらしいですよ。

　野手では若いいい選手もいっぱいいるけど、やっぱりホークス時代の同僚でもある福田秀平選手に注目したいですね。ちょっと怪我をしていますけど、FAで移籍した選手って結果を残したいっていう思いが強くて頑張りすぎちゃう選手が多い。今年は力も抜けて本領発揮というところに期待したいですね。

【オリックス】生年月日が同じ！頼りになる投手兼任コーチに期待

　高卒2年目の宮城大弥投手はすばらしいですね。スライダーとか、投げっぷりが非常にいい！　強気の攻めというか、バッターに対してここに投げたら空振りするだろうという雰囲気が好きです。あとは、阪神から移籍してきた能見篤史投手。彼とは同い年で誕生日も全く一緒なので、頑張ってほしいです。投手コーチ兼任だけど、ロングリリーフでも何でもできるし、頼りになると思いますよ。MLBから日本球界に復帰した平野佳寿投手も、いろいろな経験があるから期待できますね。

　野手で言えば、若手の太田椋選手はストライクゾーンが広くていいですね。ピッチャーからしたら、インコースよっぽど厳しく攻めないと抑えきれないのかなって感じがします。安達了一選手は安定感、守備が魅力的。トータルのバランスで言ったら非常にいいですし、ピッチャー的には、ディフェンス面に魅力を感じますね。

【福岡ソフトバンク】田中正義はど真ん中に投げているだけで抑えられるポテンシャル

　杉山一樹投手は昨年の日本シリーズの時に見てビックリしました。ある程度点差開いた場面で、こんないいピッチャーが出てくるホークスってすごいなって思いましたね。泉圭輔投手は体の線が細いけど、あの体であのボールを投げられるっていうのはライオンズの西口文也さん（現・投手コーチ）みたい。最近はもっとガッチリした体型のピッチャーが多いので、ああいうピッチャーはおもしろいですね。あと、田中正義投手。彼はものすごいボールを投げるので、一緒にキャッチボールをやってビックリしました。ど真ん中にずっと投げているだけでバッターを抑えられるんじゃないかってくらいの球でしたね。

　野手では三森大貴選手。二軍でやっている時に絶対来るなと思っていました。体の線が細くて足の速い選手だけど、体の使い方がうまい。日本人であまり見ないタイプの選手ですけど、アメリカにいた時にこういう選手好きでしたね。体の返し方がうまくて、MLBの選手でこういう使い方をしている選手は多かったです。ヘッドスピードはかなりあるんじゃないかなと思うので、捉える確率さえ上げれば打球の強さはあると思います。

　他にもリチャード選手とか若い野手がいっぱい出てきているので、松田宣浩選手とかは負けないぞって気持ちがさらに強くになっていると思います。川島慶三選手はスワローズでも一緒にプレイしていますが、彼の存在はめちゃくちゃ大きい。経験を積むにつれ、ドンドンかっこよくなってきていますよね。彼らベテランにも頑張ってほしいです。

五十嵐さんの2021年パ・リーグ順位予想は…？

1位　福岡ソフトバンク
2位　楽天
3位　千葉ロッテ
4位　オリックス
5位　埼玉西武
6位　北海道日本ハム

　　ホークスとイーグルスはよっぽど怪我人がでない限り盤石かなと思います。他のチームも救世主となるような選手が現れれば、チームの流れや勢いが変わってくると思います。ただ、各球団すばらしい選手がいっぱいいるので、正直順位はわかりません！　特に今年に関しては非常に難しい。延長なしの9イニングということで、戦い方も変わってきますし、どういうチームが強いという形すらも変わってくるのでは。中継ぎをドンドンつぎ込んでいくことになると思いますが、そうなると中継ぎを強くしていくために、先発が中継ぎに入っていくようなチームも出てくるんじゃないかなと思います。9イニング制に上手くハマれば、下位予想のチームが上位にくることもあるので、今年は見方が変わってさらにおもしろくなると思います！

本間奈保子

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