昨季は福岡ソフトバンクの圧勝…… パ・リーグ代表チームVS原巨人の日本シリーズを振り返る

パ・リーグ インサイト

2020.11.19(木) 11:00

グラシアル選手、周東佑京選手(C)パーソル パ・リーグTV
グラシアル選手、周東佑京選手(C)パーソル パ・リーグTV

 開幕延期、試合数の減少、無観客……異例づくしの2020年シーズンもいよいよ大詰め。パ・リーグは3年ぶりのリーグ優勝に輝いた福岡ソフトバンクが「2020 パーソル クライマックスシリーズ パ」を勝ち抜き「SMBC日本シリーズ2020」進出を決めた。

 対するセ・リーグは2連覇を果たした巨人が36度目の日本シリーズ出場となっている。その巨人を率いる原辰徳監督は、監督としての日本シリーズ出場回数が今回で7回目。そこで過去6度のパ・リーグ球団対原監督率いる巨人の日本シリーズを振り返ってみよう。

2002年 監督就任1年目は原巨人のストレート勝ち

2002年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2002年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 伊原春樹監督が就任した2002年の西武ライオンズは、同じく就任1年目の原監督率いる巨人の前に0勝4敗で敗れてしまった。初戦は松坂大輔投手と上原浩治投手という屈指の対決で始まるも、ケガから復帰したばかりの松坂投手は痛恨の2被弾。2戦目と3戦目は二岡智宏選手、高橋由伸選手、松井秀喜選手、清原和博選手といった巨人の強打者たちが威力を発揮。シーズン55本塁打を放ったアレックス・カブレラ選手はシリーズ2本塁打と意地を見せたが、トリプルスリーを達成した松井稼頭央選手や和田一浩選手は持ち味を出せなかった。

2008年 岸孝之が完封&好救援の活躍

2008年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2008年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 第7戦までもつれた2008年は、渡辺久信監督の率いる埼玉西武が巨人を破り日本一になった。キーマンはシリーズMVPに選ばれた岸孝之投手。1勝2敗で迎えた第4戦で岸投手は被安打4、10奪三振で完封勝利を挙げると、第6戦に中2日でリリーフ登板。5.2回を投げ、またしても無失点に抑える好投をし、チームは逆王手をかけた。

2009年 ダルビッシュ有が気迫の投球。巨人・小笠原道大は古巣相手に一発

2009年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2009年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 接戦の多いシリーズとなった2009年は原監督の巨人が日本一に。巨人の3番・小笠原道大選手は第3戦で古巣から本塁打含む2安打3打点と活躍した。北海道日本ハムはエースのダルビッシュ有投手が故障を抱えながらも第2戦に先発し6回を被安打7、7奪三振2失点で勝利投手となった。

2012年 1点を争う最終戦で中田翔が一発放つも原巨人が競り勝つ

2012年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2012年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 東京ドームで開幕したこの年。北海道日本ハムは2試合を終えてわずか1得点と苦しい滑り出しになったが、札幌ドームへ戻った第3戦は12安打7得点と打線が息を吹き返す。再び息詰まる投手戦となった第4戦は両チーム無得点のまま延長戦へ。12回表に宮西尚生投手が3三振を奪ってみせると、その裏に飯山裕志選手がサヨナラタイムリーを放って劇勝した。地の利を活かし3連勝したい北海道日本ハムだったが15安打10得点を喫し、巨人に王手をかけられる。そして第6戦、中田翔選手に同点ホームランが出るも、最後は巨人が1点差を逃げ切り、3年ぶりの日本一になった。

2013年 楽天イーグルスが球団史上初の日本一…… 胴上げ投手は田中将大

2013年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2013年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 東北で日本シリーズ初開催となった2013年。開幕戦は巨人が競り勝ったが、第2戦はシーズン24勝無敗の田中将大投手が12奪三振1失点の完投。楽天イーグルスが記念すべき日本シリーズ1勝目を挙げた。勝利チームが日本一となる第7戦は、楽天が6試合連続で先制に成功すると、美馬学投手-則本昂大投手-田中将大投手の3本柱によるリレーで巨人打線を完封。球団史に残る初栄冠を仙台のファンの前で成し遂げた。

2019年 福岡ソフトバンクが4戦全勝で3年連続の日本一

2019年日本シリーズ対戦成績(C)PLM
2019年日本シリーズ対戦成績(C)PLM

 令和最初の日本シリーズは、6年ぶりの日本シリーズ出場になった巨人を「短期決戦の鬼」工藤公康監督の率いる福岡ソフトバンクが4連勝スイープ、3年連続10度目の日本一に輝いた。MVPは3本塁打を放ったグラシアル選手。周東佑京選手の代走起用に応える活躍も印象的だった。また、投手陣の力投と甲斐拓也選手のリードが冴え、坂本勇人選手と丸佳浩選手といった巨人の強打者に仕事をさせず。投打で差を見せつけ、福岡ソフトバンクのチーム力を全国に轟かせた。

今シーズンは11月21日に京セラドーム大阪で開幕

 今シーズンの日本シリーズは日程が例年より遅いことが影響し、巨人の本拠地・東京ドームが利用できず、京セラドーム大阪が試合会場となるなど、シーズン最終盤まで異例が続く。ポストシーズン12連勝中の福岡ソフトバンクが今年はどのような暴れっぷりを見せてくれるのかを楽しみにしつつ、昨年の4タテのリベンジを狙う巨人・原監督の采配にも注目だ。


参考文献
埼玉西武ライオンズ球団公式サイト ヒストリー
https://www.seibulions.jp/expansion/history/index.html

文・菊地綾子

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