2013年、ツインズでともにメジャーデビューした2人が、日本でも同じ年に同じチームでパ・リーグデビューを飾る。
マイケル・トンキン投手とオズワルド・アルシア外野手が、今シーズンオフに揃って北海道日本ハムへ入団した。トンキン投手は28歳、アルシア選手は26歳。世界最高峰の舞台で実績を残しながら、若くして海を渡る決断をした2人は、北の大地で再起を期している。
北の新・守護神候補。200センチの大型右腕・トンキン投手
身長201センチの大型右腕であるトンキン投手は、2008年のドラフト30巡目でツインズに入団。2013年にメジャーデビューを飾り、9試合登板ながら防御率は0.79という好成績を残すと、以降はメジャーでの登板機会も増加していく。
2015年には26試合で防御率3.47と一定の数字を残し、翌2016年には防御率5.02ながら65試合に登板するフル回転を見せる。メジャー初勝利を含む3勝を記録し、シーズン103敗を喫したチームにあって、貴重なリリーフ投手の1人として奮闘を続けた。
しかし、昨年は16試合の登板にとどまり、日本球界への挑戦を決断。メジャー通算成績は141試合3勝3敗、防御率4.43で、奪三振力の高さが魅力のトンキン投手。オリックスに移籍した増井投手の背番号とともに、その役割を引き継ぐことが期待されている。
契約に際しては「北海道の素晴らしさ、あたたかいチームの雰囲気、そしてファンの皆様の大きな支えがあることを、複数の選手より耳にしています」「このチャンスをしっかり結果につなげ、日本一奪還に貢献できるよう精一杯プレーします」とコメントした。
メジャー44発の大砲・アルシア選手
一方のアルシア選手はベネズエラ出身で、2007年にアマチュアフリーエージェントとしてツインズと契約。トンキン投手と同じ2013年にメジャーデビューを果たすと、97試合で14本塁打、打率.251という成績を残し、若く有望な打者として確かな存在感を示した。
翌2014年は打率こそ.231まで落としたものの、103試合で20本塁打57打点という打棒を見せ付ける。しかし2015年には他の有望株が台頭してきたこともあって、19試合の出場に終わり、2016年からはレイズやマーリンズなどの4球団を渡り歩くことに。
昨年はついにメジャーでの出場機会を得られず、日本球界へ挑戦することを決断。メジャー通算成績は288試合231安打44本塁打131打点、打率.235。弟のオーランド選手はブリュワーズで遊撃手として活躍しており、兄としてもこのままでは終われないところだろう。
契約に際してアルシア選手は「当初は不安もありましたが、駐米スカウトからの熱心な説明に、気持ちが一気に高まりました」「アピールポイントはバッティング。ファンの皆様が幸せな気持ちになるようなプレーを見せたいです」と語った。
自身、そして後輩の道を切り拓けるか
北海道日本ハムには、2016年の日本一に貢献したバース投手とマーティン投手がその実力を認められ、後にメジャー復帰を果たした例がある。2人がそれに続けば、今後も才能豊かな選手がアピールの機会を求め、日本に活躍の場を移すケースも増えるかもしれない。
トンキン投手とアルシア選手は、「あたたかい」北の大地に歓喜をもたらすとともに、海の向こうの後輩たちに新たな道をも示すことができるか。数奇な縁を感じさせる2人が歩む開拓者道は、まだ始まったばかりだ。
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