2017年シーズンは悔しい結果に終わった千葉ロッテ。2013年から5年間指揮を執った伊東勤監督が退任し、今季限りで現役を引退した井口資仁氏が新監督に就任した。井口新監督はすでに今オフ、来季の巻き返しに向けて多くの改革を進めているが、中でもコーチ陣の一新は大きな話題を呼んだ。新生・千葉ロッテを形作るため、新たに招聘されたのは以下の9名である。
・福浦和也選手兼打撃コーチ
2000本安打まであと38安打に迫る、千葉ロッテ一筋24年のベテランだ。あくまでも選手メインという注釈は付くが、肩書きが与えられたことで若手選手とのコミュニケーションはスムーズになるはず。類い稀な打撃センスの持ち主である福浦選手の薫陶は、チーム力の底上げにつながっていくだろう。
・金森栄治一軍打撃コーチ
2010年から2012年まで千葉ロッテの打撃コーチを務め、西岡剛選手(現・阪神)、荻野貴司選手、清田育宏選手らを指導した。2014年からは金沢学院東高校(現金沢学院高校)の監督に就任。今年までノースアジア大学のコーチを務めていた。
・的場直樹一軍戦略兼バッテリーコーチ
福岡ソフトバンク時代は斉藤和巳氏の専属捕手だった。戦力外通告を受けて千葉ロッテに入団し、2010年の下剋上メンバーの一員となる。今季まで北海道日本ハムで二軍バッテリーコーチを務めていた。
・清水直之一軍投手コーチ
かつて千葉ロッテのエースとして活躍した本格派右腕だ。現役引退後はニュージーランドの野球の発展に尽力。2016年WBC予選ニュージーランド代表投手コーチ、2016年U-15ニュージーランド代表監督、2017年U-18ニュージーランド代表監督などを務めた。
・清水正海一軍バッテリーコーチ
今季までは福岡ソフトバンクで一軍バッテリーコーチを務めていた。井口新監督とは青山学院大学時代の同期である。
・鳥越裕介一軍ヘッドコーチ兼内野守備走塁コーチ
福岡ソフトバンクで現役を引退してから今季まで、二軍監督や一軍内野守備・走塁コーチを務めた。今季の福岡ソフトバンクの失策数は歴代最少タイだったが、そんな堅守のチームを作り上げる上で、鳥越コーチの手腕が大きな役割を果たしたことは間違いない。球界屈指の指導力に大きな期待がかかる。
・今岡真訪二軍監督
今季までは阪神で二軍打撃兼野手総合コーチを務めた。2010年のクライマックスシリーズで大活躍した下剋上メンバーの1人。
・小坂誠二軍内野守備・走塁コーチ
現役時代は言わずと知れた内野守備・走塁のスペシャリスト。今季は巨人で二軍内野守備・走塁コーチを務めていた。
・諸積兼司二軍外野守備・走塁コーチ
現役時代はガッツのあるヘッドスライディングや雨天パフォーマンスなどが代名詞。「モロさん」の愛称で、ファンから深く愛された。2011年からは調査担当、スカウトとして千葉ロッテに尽力しており、8年ぶりの現場復帰となる。
以上が新しく千葉ロッテのコーチに就任した9名だが、改めて見るとそうそうたる顔ぶれである。特に鳥越コーチの入団は、チームにとって大きな補強となるという声も聞かれる。また、2010年にチーム打率をリーグ1位に導いた金森コーチも復帰。今季極度の打撃不振にあえいだ野手陣の立て直しに期待が持てそうだ。
さらに、コーチ陣の大半が井口新監督の同期や先輩、元チームメイトであり、ほとんどが40代と若い。井口新監督は「ようやく、全員そろいました。若いし、でも、経験豊富なコーチがいっぱい。僕は監督1年目なので、いろんな面でサポートして欲しい。一緒に野球をやった人もいる。野球観は共通しているので、そういう部分を選手に伝えていけたらと思います」と厚い信頼を寄せる。
コーチ陣の一新の他にも、キャンプで一軍、二軍の枠を撤廃する新構想、キャプテン制度の廃止、トラックマンの導入など、今季とは環境を大きく変えて2018年シーズンに向かおうとしている新生・千葉ロッテ。「常勝球団にするために全力で頑張りたい」と目標を掲げる若き指揮官とともに、新時代への第一歩を踏み出しつつある。
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