【30人の侍】ロッテ・佐々木朗希、WBCで見せたいのは「三振」…驚異の奪三振率12・04でメジャー斬り

スポーツ報知

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2023.2.14(火) 05:00

笑顔でトレーニングをする佐々木朗希(カメラ・今西 淳)

 ロッテ・佐々木朗希投手(21)が、自慢の三振で世界の壁を打ち崩すことを誓った。昨季、完全試合を達成するなど世界の注目を集めた右腕は、侍ジャパントップチームとしては第5回WBCが初の国際大会となる。2019年に出場し、悔しさとふがいなさを味わったU―18W杯(韓国)のリベンジへ、進化した右腕が世界一を目指して各国の強打者をねじ伏せる。(取材・構成=小田原 実穂)

 強い日差しが降り注ぐキャンプ地の沖縄・石垣島で、佐々木朗は日の丸を背負う責任と覚悟を口にした。

 「僕が打たれてもチームが勝ったら良いし、抑えても負けたら悔しい。個人どうこうよりもチームの勝ち負けが本当に大事。結果的にチームが勝てればそれで100点」

 国際大会の日本代表に名を連ねるのは、高校3年生だった19年のU―18W杯以来。当時はスーパーラウンド・韓国戦に登板も、右手中指のマメの影響でわずか19球、1回で降板した。

 「力になれないもどかしさはあった。今回はそういうことがないように。まずは自分のできることを最大限発揮するしかない。その中で結果がついてくると思うので、自分からこけることがないように」

 リベンジしたい思いはずっと心にあった。そんな中、1月の自主トレ中に携帯電話が鳴った。

 「知らない番号だったので出るか迷ったんですけど、出たら栗山監督で。一緒に戦ってほしい、僕のパフォーマンスを出せば相手をやっつけられる。そういうふうに言ってもらった」

 待望の機会を得た。最速164キロの直球と決め球のフォークで三振を奪う。自分のスタイルを確立し、日の丸を背負うまでに成長した。昨季は先発として驚異の奪三振率12・04を記録。多く出場するバリバリの現役メジャーリーガーのバットに空を切らせる。

 「どの場面でも、どのカウントであっても、(持っている)どの球種も投げられるように。(投球で見せたいのは)三振です」

 プロ1年目は体作りに専念し、実戦登板はなし。周囲の同期が先にデビューをする中、黙々とトレーニングを耐え抜いた強い精神力の背景には中学時代の苦しい経験が生きている。

 「中学生の時に(腰を)けがした時、自分としては大きく変わった。けがをして野球ができないのは本当につらかったですし、けがをしなければこういう思いをしなくて済むんだなと思ったので。じゃあどうしたらって考えた時に、いかに元気な時にケアや練習を怠らずできるかだと思うので。そういうところを勘違いしないように、メンタル的にコントロールするようにしました」

 すべては先を見据えての自分のため。高校も強豪私学を選択しなかった理由は、自分で考えてできる環境を選んだからだった。

 「高校の時からある意味、好きにやらせてもらっていた。それをプロでもできてるのは吉井さんがいたからだと思うし、そのおかげで良くも悪くもいろいろ経験できて、その分、吸収が早かったりはあると思う」

 侍ジャパンの投手コーチも兼任する吉井監督はWBCの準決勝、決勝が行われる米国ラウンドで登板させたい思いも明かしている。

 「すごくうれしいですし、モチベーションになる。そういうところで結果を出せるような選手になりたい」

 世界一奪還へ、自慢の三振量産で世界の壁を打ち崩してみせる。09年に当時小学1年生の朗希が見たWBCの感動を、次は自身の投球で再現する時が来た。

 ◆奪三振率とは 1試合9イニングの平均奪三振数を示す値で、奪三振数×9÷投球回で求められる。

 ◆佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年11月3日、岩手・陸前高田市生まれ。21歳。小学3年で野球を始める。11年の東日本大震災で被災し、大船渡市に移住。大船渡では甲子園出場なしも19年のU―18日本代表に選出。4球団の競合の末に19年ドラフト1位でロッテ入団。昨季は20試合に登板して9勝4敗、防御率2.02。192センチ、92キロ。右投右打。

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