大経大・才木海翔、オリックスで歩む「宇田川ロード」 育成→ブレイク→日本一「投げている姿が格好いい」

スポーツ報知

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2022.11.28(月) 07:00

オリックスで“宇田川2世”を目指すと誓った大経大・才木海翔(カメラ・石田 順平)

 オリックスから育成ドラフト2位で指名された大経大・才木海翔投手(22)が、27日までにスポーツ報知の取材に応じ、育成出身で今季26年ぶりの日本一に貢献した宇田川優希投手(24)に続くことを誓った。同じく育成出身で、オリックスでもプレーした同校の山本和作(かずなお)監督(36)と、侍ジャパンなどでコーチを歴任した高代延博特別コーチ(68)が、才木の魅力や期待を語った。(取材・構成=瀬川 楓花)

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 今季のオリックスは、2020年育成ドラフト3位の宇田川が7月に支配下選手登録を勝ち取り、19登板で2勝1敗、防御率0・81で26年ぶりの日本一に貢献した。才木は「(ドラフト当日に)『死ぬ気でやる』って言ったんですけど、本当に死ぬ気でやったのが宇田川さん。投げている姿が格好いい。すごいと思える宇田川さんのような投手に」と“宇田川2世”を目指すと誓った。

 3年秋のリーグ戦で最優秀防御率賞(0・74)を獲得したことで、本気でプロの世界を意識。3月、オリックス2軍との練習試合で、3回までオール直球で勝負を挑み、4回を無失点に抑えた。3回には、ファームで調整中だった吉田正を二ゴロ併殺に打ち取った。後に吉田正が「(真っすぐが)いい」と褒めていたことを山本監督から聞き「どんな相手にもひるまず、圧倒させられるのが持ち味」と胸を張る。

 ドラフト当日は、広島・小園から電話で祝福された。中学生のころ、週1回の練習会で出会った小園、ロッテ・藤原とは、今でも親交がある。自身は北海道栄高の3年間で聖地を踏めず、18年夏の北大阪大会決勝を観戦。23―2で甲子園出場を決めた大阪桐蔭高の藤原らを見て「これがプロ(に行く選手)やな、えぐいなと思った」と衝撃を受けた。4年遅れで同じ舞台に立つ最速153キロ右腕は「(プロでの対戦は)絶対に楽しい」と、同学年対決を熱望する。

 オリックスの山崎颯も育成契約を経て、20年12月に支配下選手登録に復帰。今季は主にリリーフで活躍した。「(課題は)制球面と平均球速のアップ。いいときが140キロ台の後半、悪いときは前半なので、その差を埋めないと1軍には上がれない」と才木。宇田川や山崎颯に続いて、育成から日本一の投手陣を支える。

■大経大・山本監督エール「自分の力信じてプレーして」

 教え子では初のNPB入りに、OBの大経大・山本監督は「(自分が指名された時より)うれしい」と感慨深げ。自身も2008年に育成ドラフト3位で巨人入りし、支配下選手登録を勝ち取った。「入ってしまえば一緒。背番号が1ケタでも(育成選手の)3ケタでも、引け目なく自分の力信じてプレーしてほしい」と背中を押した。

 入学当初から「うまくいけば、めちゃくちゃ楽しみな存在になる」と期待は大きかった。幼さもあった当時を懐かしみ「自分をしっかり持った選手。野球のことで言えば、とにかく真っすぐ(が強み)。磨きをかけて、もう一つ変化球を覚えれば、僕よりいい選手になる」と、活躍を願った。

 21年春から特別コーチを務める高代氏も「持ち味は速球。いいフォークボールもある。向こう意気の強さはプロ向きの性格」と太鼓判を押し「向上心の強い人が生き残る。終着駅がないという気持ちでやってくれれば」と、エールを送った。

■才木アラカルト

▼生まれとサイズ 2000年6月10日、大阪・豊中市生まれ。22歳。181センチ、86キロ。右投右打。

▼球歴 庄内小3年から豊中ゼッツで野球を始め、豊中市第六中では準硬式野球部に所属。北海道栄高では2年秋からベンチ入りし、2年秋の道大会と3年夏の南北海道大会で4強。大経大では1年春からリーグ戦に登板。

▼好きな選手 野球を始めた当初は捕手。当時は城島健司(現ソフトバンク球団会長付特別アドバイザー)があこがれ。「顔を含めてかっこいい。あと捕手の防具が好きだった。強そうじゃないですか」。キャッチャーミットは城島氏モデルを愛用していた。

▼ジブリ好き SNSのアイコンは「崖の上のポニョ」の主人公・宗介で「金曜ロードショー」での放送は欠かさず見る。「心が浄化される、落ち着く。ポニョ、(となりの)トトロ、魔女の宅急便…。今見るとエモい(何とも言い表せない気持ち)なって」。

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