<優勝監督CLOSE UP>オリックス・中嶋聡監督 劇的Vに導いた“ナカジマジック”

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2022.10.8(土) 11:00

変幻自在のタクトはさらに冴えわたった。多くの苦境に見舞われる中で、指揮官は巧みな用兵と采配で活路を切り開き、再び頂点に立ってみせた。


 言葉の力を持っている。戦術や起用を含めた采配が“ナカジマジック”と称されるが、その根底には選手にかける“言葉”がある。負けられない戦いが続いたシーズン終盤。試合直前のベンチ内では、欠かさず円陣が組まれた。輪の中心には中嶋聡監督がいる。最終戦にナインにかけた言葉は「勝って終わりたいな? 優勝のことを考えるなよ。勝って、喜ぼう。笑おう。全員で行くぞ! 全員で勝つぞ!」だった。

 特別なことは言ってはいない。ただ、キーワードがある。それが『全員』だ。浸透したシーズン終盤のスローガンも“全員で勝つ!!”。「全員が戦力」と言ってきた指揮官はいつも「全員」を強調してきた。思い返せば二軍監督から一軍監督代行となった2020年の就任会見もそうだった。キーマンを問えば「いや、もう全員です」ときっぱり。「二軍にもまだまだ選手がいますし、それを全部自分では分かってるつもりなんで、ホントに良い選手を使っていきたい」と、迷いなき言葉は力強かった。

 だから、結果を残せばチャンスは巡ってくる。求める結果もそれぞれ。進塁打や犠打の小技の選手もいる。バスターやダブルスチールなど、注目を集める多彩な戦術は、それぞれが力を発揮してこそ成せる業。役割の徹底こそが“全員で勝つ!!”の真意にほかならない。

 ただ、まだ道半ば。今季の開幕戦でのミーティングで指揮官はナインにこう声をかけた。

「昨年はただ単に優勝ということを考えていましたけど、その上を目指します。日本でまだ2番目です。本当のトップを目指しましょう」

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