楽天・田中将大 受け継がれる武器/伝家の宝刀

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2022.9.12(月) 11:20


変化球のキレは健在だ

 伝家の宝刀、と呼ぶにふさわしい1球だった。8月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)。初回二死走者なし。中村奨吾への4球目。田中将大が勝負球に選んだのはスプリットだった。142キロの落ちる球で、空振り三振に仕留めた。7回を投げ3失点。日本球界復帰後、ロッテの敵地で勝ったのは初めてだった。今季8勝目を飾ったが、自己採点は厳しかった。「全体的にいまいちでした」と淡々と振り返った。

 今年で34歳を迎える。直球の平均球速は140キロ後半と20代と比べてやや落ちた印象だが、スプリットのキレは相変わらず素晴らしい。直球との球速差は5キロほど。ストレートとまったく同じ腕の振りから繰り出される変化球は、打者の手前で沈み込む。状況によって握りなどを微妙に変えて落差を調整。制球力も含め、まさにウイニングショットだ。

 その宝刀の秘けつは松井裕樹ら後輩たちにも伝授。日本球界復帰後、スプリットの詳細を伝授された1人が引地秀一郎だ。引地はこれまでは挟み込むように握っていたというが「もう少し真っすぐのような握りのほうがいい」と助言を受けた。また本人は「しっかりとした(軌道の)イメージを持って投げている」という。1球ごとに球筋をしっかりイメージしてから投げることが、精度の高さの秘密だ。

 8月までを終えた時点で20試合に登板して8勝9敗、防御率2.93。本人としても心から満足できる成績ではないだろう。自慢の宝刀を武器に、終盤戦で一つでも多くの勝利をつかみ取る。

写真=BBM

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