恒例!解説者12人 2021シーズン順位予想【パ・リーグ編】

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2021.3.20(土) 11:00

開幕が近づき、本誌恒例のシーズン順位予想の季節がやってきた。外国人選手の来日が遅れ、今年は予想が難しい部分もあるが、12人の解説者にズバリと占っていただいた。

楽天が高評価も、V予想はソフトバンクが圧倒!

昨年はソフトバンクが3年ぶりのリーグ優勝を遂げ、4年連続日本一につなげた。今季は楽天の前評判も高いが、さてどうなるか

多くの見方が一致波乱の目は少ない?


 優勝・ソフトバンク、2位・楽天、3位・ロッテ、4位、西武、5位・オリックス、6位・日本ハム。多くの評論家の意見が、ほぼこの線で一致した。各チームの最頻値(最も多く予想された順位)はきれいにバラけ、唯一、西武が2位から6位と広い予想分布を見せたのを例外に、ほかの5球団は最頻値の上下2つか3つの予想順位の中に納まった。少なくとも現段階の諸氏の戦力分析においては、パ・リーグはあまり波乱含みの予想はされていないと言える。

 昨年の順位と今季予想順位を比較すると、評価が高いのは、やはり田中将大の復帰で勢いづく楽天だ。昨年4位ながら、5年連続日本一を目指すソフトバンクの対抗馬に推す声も少なくなく、全解説者がAクラスに挙げた。

 ただそれでも1位予想となると、12人中10人がソフトバンクのVを予想。その選手層の厚さや投手陣の安定を推す声が多かった。

 きれいに散らばった予想順位の中で、比較的差が小さかったのはロッテ、西武が中心になると予想される3位争い。やや各氏の評価の割れている西武の出来がカギか。オリックス、日本ハムは全員がBクラスと苦戦の予想が多いが、意地を見せたい。


斉藤和巳「懸念部分あっても選手層の厚さでH」


 千賀滉大、東浜巨の出遅れなど気になるところはありますが、やはり選手層の厚さでソフトバンクでしょう。主力と代わって出てくる選手との間にそれほど大きな力の差がないのが大きい。楽天は田中将大の加入で上がったといわれる先発力が実はカギです。岸孝之、則本昂大、涌井秀章と4人そろってはいますが、ここ数年の働きを見ると勝ちでなく負けも計算できてしまう。しっかり貯金をつくれたら優勝が近づきます。

 3位、4位が一番悩みました。差があるとしたら“組織力”ですね。ロッテは井口資仁監督が強くなるために今やるべきことを失敗を恐れずやっている印象。オリックスはいい選手がそろっているので、勢いに乗って盛り上げてほしいです。日本ハムは今年も不気味な存在ですが、西武同様、戦力的に厳しいかなと思います。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 オリックス
5位 日本ハム
6位 西武

PROFILE
さいとう・かずみ●1996~2010年ダイエー・ソフトバンク。2度の沢村賞など数々のタイトルを獲得も、度重なる右肩の故障で13年に引退表明

里崎智也「Eは田中将以外の先発の活躍が必須」


 千賀滉大、柳田悠岐の調整が遅れているとはいえ、ソフトバンクは毎年のこと。万全ではないにしても、層の厚さで終わってみればトップ。今年も優勝予想です。楽天は当初4位予想でしたが、マー君(田中将大)の復帰で2位に。優勝ではないのは24勝0敗で日本一になった2013年も、則本昂大が15勝したから。涌井秀章、岸孝之とベテランがフル稼働できるかの不安もありますしね。3位予想の西武も投手次第、それも先発陣。後ろ(救援)は森脇亮介、ギャレット、平良海馬、増田達至と固まりつつある。下位予想3球団は台頭する選手の出現次第で、ロッテは昨季の経験を武器に安田尚憲が飛躍するか。オリックスは吉田正尚頼みの打線からの脱却。日本ハムも中田翔、近藤健介、西川遥輝に続く打者の出現と“+α”が欠かせません。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 西武
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
さとざき・ともや●1999~2014年ロッテ。05年には日本一、06年のWBCでは世界一捕手に。ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞各2回

伊原春樹「HがやはりV候補2~4位は混戦か」


 順位予想をする際、どれだけ投手力がそろっているか、という点に目が行く。その意味では、やはりソフトバンクが優勝候補の筆頭だろう。千賀滉大が両ふくらはぎの不調で調整が遅れていても、まったく不安がない。他球団と比べて投手陣の質、量は抜きん出ている。

 2位から4位は混戦だ。順位はつけたが、まったく逆になってもおかしくはない。田中将大が復帰した楽天は先発陣が厚くなったというが、則本昂大、涌井秀章、岸孝之ら全員30代。やはり、ドラフト1位の早川隆久ら若手投手がどれだけ奮闘するかにかかっている。オリックスの2年目左腕・宮城大弥は今季飛躍しそうだ。ジョーンズも本来の力を発揮しそうで、投打ともに少しずつ厚みは増している。日本ハムは清宮幸太郎が打で真価を発揮すれば面白いが、それでも戦力は足らない。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 西武
3位 楽天
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
いはら・はるき●1971~75年西鉄・太平洋、76~77年巨人、78~80年クラウン・西武。西武、オリックスで監督、巨人などでコーチを歴任

礒部公一「Eを推したいが戦力的にはHが上」


 古巣であり、田中将大という大きな戦力補強をした楽天を推したいところですが、やはり戦力的にはソフトバンクでしょう。グラシアル、モイネロに加えて、デスパイネも合流するなど、既存の助っ人勢がそろっているのは、他球団と比べて大きな強みです。楽天は新外国人の3人が来日できておらず、浅村栄斗が中心となる攻撃力に不安が残ります。いずれにせよ、この2チームがペナント争いの中心となりそうです。

 そこに続くのは、昨季はソフトバンクを相手に勝負強さを発揮したロッテ。2年目の右腕・佐々木朗希のデビュー時期も気になるところです。目立った補強のなかった西武、有原航平の抜けた日本ハムは戦力的に上位と差がありそう。オリックスは山本由伸&山岡泰輔、吉田正尚と投打の軸がいるものの、後続がおらず心許ない印象です。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 日本ハム
6位 オリックス

PROFILE
いそべ・こういち●1997~2004年近鉄、05~09楽天。近鉄、楽天では選手会長として奔走。引退後の10年から17年まで楽天コーチ

西崎幸広「Fは有原の穴が大エール込め最下位」


 個人的にはメジャーの第一線で投げていた田中将大のパフォーマンスに注目しています。「抑えて当たり前」と周囲が見る中で、どんなピッチングを見せてくれるのか、楽しみで仕方ありません。当然、石井一久監督が率いる楽天も楽しみではありますが、ペナントレースでは、ソフトバンクが総合力では上回るでしょう。工藤公康監督はデータ重視のしっかりとした野球をやる方。今年も優勝は堅いと思います。

 楽天もチャンスはあるとは思いますが、石井監督が未知数。指揮官の経験の差が勝敗を分けるような気がします。中嶋聡監督のオリックスが台風の目になりそうです。

 私の古巣である日本ハムは新外国人を獲得するなど補強に動いてはいますが、有原航平の穴を埋め切れていません。「頑張れ」のエールを込めて、あえて最下位としました。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
にしざき・ゆきひろ●1987~97年日本ハム、98~2001年西武。80年代には「トレンディーエース」として、人気・実力ともに一時代を築いた

藤井康雄「マー君加入でEとHの優勝争い激化」


 誰かがダメでも代わりの選手が台頭する層の厚さがモノを言い、今年もソフトバンクの優勝予想です。昨季、活躍した栗原陵矢は実質2年目。昨年ほどの成績を残せるかな、と思っていた中で上林誠知が復調と、開幕前から層の厚さを見せています。2位はマー君(田中将大)の復帰なきにしても楽天。涌井秀章、岸孝之、則本昂大らの先発陣にあの打線。勝てないわけがない。マー君の加入で、ソフトバンクとの優勝争いも激しくなるのでは。

 西武は森友哉、山川穂高が復調するはずで、若い先発陣が育っている。ロッテも藤原恭大ら打線が若返っており、期待はありますが、そこが不安材料でもあります。

 オリックスも吉田正尚以外の野手が台頭するか。日本ハムは勝ち頭・有原航平が抜けた穴が大きく、苦戦するのでは、と予想しています。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 西武
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
ふじい・やすお●1987~2002年阪急・オリックス。左の長距離砲で鳴らしベストナインを2度受賞。オリックス、ソフトバンクでコーチ歴任

井端弘和「H主力にケガ人が出ればEの逆転も」


 戦力的に1つ上を行くのがソフトバンクだが、層が厚いとはいっても、長丁場では柳田悠岐、千賀滉大ら主力にケガ人が出ると、今年に限っては困るのではないか。打線はやや弱いが、マー君(田中将大)の復帰で先発陣のコマがそろう楽天がギリギリの戦いを制していけばその差は埋まってしまう。ロッテは安田尚憲、藤原恭大ら若い力が面白い。もう1年、彼らがしっかりと経験を積めば、一気に優勝候補に浮上するが、まだ優勝には届かないか。爆発的な成長には期待したい。西武はいまだ秋山翔吾移籍の穴が埋まらず、打線のつながりがないためBクラスと予想。ようやくリリーフ陣が充実も、先発陣が若くて未知数。オリックスは投手はいいが打線が弱い。ただ、ロッテ同様、太田椋、紅林弘太郎が育てば来年以降は明るい。日本ハムは中田翔が頑張りそうだが……。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
いばた・ひろかず●1998~2013年中日-14~15巨人。ゴールデン・グラブ賞7回受賞の名手。通算1912安打。巨人コーチの後、現在は侍ジャパンコーチ

藪恵壹「Eは投手力はいいが捕手に不安あり」


 すべての面で整っているのがソフトバンクです。ケガをしている選手もいますが、それを補うだけの高いレベルでの選手層が厚く、穴がないチームです。それを追うのがロッテ。投手力が良くて、野手のコマが豊富です。また守備力が上がっている点も見逃せません。楽天はリーグNo.1の先発ローテーションが組めますので強いと思われるでしょうが、やはり捕手力がかなり落ちます。優勝するためにはトレードを仕掛けるかもしれません。

 西武はやはり先発が足りません。オリックスは、チーム再編中で打線が少し弱い。吉田正尚の後の打者次第。紅林弘太郎には期待したいです。日本ハムは有原航平がいなくなったのが痛い。決め手に欠けるチームで、勝つためには名のある野手が打つことです。ここは打って勝つしかないですね。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 ロッテ
3位 楽天
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
やぶ・けいいち●1994年ドラフト1位で阪神に入団。1年目に9勝を挙げ新人王。2005年にアスレチックスに移籍。08年にはジャイアンツでもプレー。11~13年阪神コーチ

宇野勝「佐々木朗が出てくればMが面白い」


 楽天の評価が高いのは5本柱が確立したからだと思いますが、ルーキーの早川隆久以外は30代ですから、そこが不安ですよね。昨年も最後は4位でしたから、一気に優勝というのは簡単ではないかなと。それよりもやはりソフトバンク。レギュラー陣もそうですが、若手が投打ともにたくましく育っている印象が強い。チーム内の競争も激しく、やはり総合力で優勝の一番手でしょう。

 ロッテは佐々木朗希が出てくると面白いでしょうね。チームに勢いをつけることができる存在ですから。この3球団が上3つになると思います。オリックスは山本由伸、山岡泰輔の2本柱で4位にしましたが、難しいのが西武。今年は山川穂高、森友哉も復活すると思いますが、ほかの解説者の方も西武をどこに置くかで順位が変わってくるように思いますね。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 ロッテ
3位 楽天
4位 オリックス
5位 西武
6位 日本ハム

PROFILE
うの・まさる●1977~92年中日、93~94年ロッテ。84年本塁打王、ベストナイン3回。通算338本塁打は遊撃手として最多記録

野村弘樹「上乗せあるEがHの牙城を崩すか」


 今年は楽天でしょう。田中将大と新人の早川隆久。そして今年、則本昂大は絶対にやると思っているんです。この3人で昨年より25勝の上乗せは堅い。そうしたらぶっちぎりで優勝です。120試合だった昨年も涌井秀章が11勝、岸も7勝する力はある。抑えに松井裕樹が回って後ろも安定している。打線はもともと悪くないですから、ソフトバンクの牙(が)城を崩せるのは、このチームしかないです。ソフトバンクも相変わらず力はあると思いますけど。

 ロッテはCS争いには絡んでくるでしょう。昨年の終盤、コロナが出て選手の大量入れ替えをしました。そんな中で藤原恭大、安田尚憲らが頭角を現してきた。彼らがもう1ランク、2ランク成長してくると、さらに上位に来る可能性もある。打力はなくても足を絡めるなど戦い方を心得ていますからね。

【予想順位】
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
のむら・ひろき●1988~2002年大洋・横浜。左腕エースとして93年に最多勝。98年にはリーグ優勝と日本一に貢献。コーチを経て現在は解説者

達川光男「HとE一騎打ちも勝ち方知るH優位」


 ソフトバンクと楽天の一騎打ちでしょう。田中将大が来て盛り上がっているので、楽天優勝と言いたいところですが、やはりソフトバンクのほうが勝ち方を知っている分、上だと見ます。ピッチャーもしっかりしている。楽天は石井一久監督も1年目で、そのあたりがどう出るか。ロッテはその2チームと1年間互角以上に戦うには少し層が薄いと思います。

 西武はチームが過渡期ですね。打線もだんだん迫力が落ちてきて、若いピッチャーも伸び悩み気味です。うまく新旧交代しないと、さらに下位になる可能性もあります。オリックスはピッチャーで山本由伸、野手で吉田正尚と軸はいますが、まだ周りの若手が育っていない。でも3位から5位は混戦でしょう。日本ハムは有原航平が抜け、外国人選手の比重も重いので苦しいと思います。

【予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
たつかわ・みつお●1978~92年広島。頭脳派の捕手で、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞各3回。広島監督を務めたほか3球団でコーチ歴任

真中満「EとHのどちらがVでも不思議なし」


 ソフトバンクの強さは今年も健在なんですが、対抗できるとすれば楽天かな、と。どちらが優勝でもおかしくないと思います。楽天の右の4枚、田中将大、則本昂大、岸孝之、涌井秀章はある程度計算できますから。そこに新人の早川隆久が加わり、非常に強力です。打線はもともと活発ですからね。

 西武は、昨年打線が良くなかったので、悔しさも含め、今年はやってくれるでしょう。投手も若い選手が出てきそうです。ロッテは安田尚憲という若い四番が、今年もうまくハマるかどうか。オリックスは山本由伸、山岡泰輔、田嶋大樹と軸がありますが、打線が吉田正尚頼みで得点力に欠けます。日本ハムは逆に投手陣が不安で、中田翔や近藤健介がいる打線は強力。若い投手がどれだけやれるかですが、他球団に比べれば力は劣ると考えます。

【予想順位】
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

PROFILE
まなか・みつる●1993~2008年ヤクルト。俊足巧打の外野手で07年にはシーズン代打最多安打(31)の日本記録。15~17年にはヤクルト監督

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