【背番号物語】ロッテ「#3」弘田澄男、西村徳文、サブローも届かなかった早熟の天才ヒットメーカーは?

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2022.3.17(木) 11:00

大きな背番号からの出世



監督として日本一に輝いた西村もロッテの背番号「3」を着けた

 ロッテで打線の主役という印象があるのは「8」。ロッテひと筋で通算2057安打を残した“ミスター・ロッテ”有藤道世からは“ミスター”の系譜でもある。ただ、これに負けない存在感を放つのが「3」。2017年からは角中勝也が背負う。2007年に入団したときは「61」だった角中。レギュラーに定着した12年に初めて規定打席に到達すると、打率.312で首位打者、16年にはリーグ最多の178安打で2度目の首位打者となり、オフに「3」へと変更した。


“つなぎの四番”として05年、ロッテを日本一に導いたサブローも「3」

 その前任者はサブローだ。本名は大村三郎で、ドラフト1位で1995年に入団すると、オリックスのイチローにあやかって登録名がサブローとなり、背番号も名前にちなんで「36」に。ただ、わずか2年で「2」となり、そこから内野と外野を行き来しながら成長、2004年から「3」となった。翌05年には四番打者ながら、つなぎの打撃でリーグ優勝、日本一に貢献。11年シーズン途中に巨人へ移籍し、「3」は交換で来た工藤貴人が閉幕まで着けるも、サブローがオフにFAで復帰したことで、ふたたびサブローの背に。サブローは16年限りで現役を引退するまで「3」を背負い続けた。

 一般的に「3」は一般的に打線の主役が着ける印象の強いナンバーだが、ロッテの「3」は、そこにサブローや角中らのようなサクセスストーリーが加わってくる。サブローの前は渡辺正人、石井浩郎、喜多隆志が2年ずつと安定感を欠いたが、その前が長い。21世紀には監督としても結果を残した西村徳文だ。西村も1年目から「3」だったわけではなく、「32」でスタートしている。5年目の86年に36盗塁で盗塁王、翌年から「3」を背負い、その後も89年まで4年連続で盗塁王に。翌90年は盗塁王こそ逃すも、自己最高の打率.338で首位打者に輝いた。このとき外野でゴールデン・グラブ賞に選ばれているが、「32」時代の85年には二塁でダイヤモンド・グラブ賞。表彰の名称は違えど、西村はパ・リーグで初めて内野と外野で受賞した守備の名手でもあった。

 西村はロッテひと筋を貫いて97年までプレー。2010年には監督1年目にしてチームをシーズン3位から日本一へ導いている。西村の前は3年間、阪神から来た藤倉多祐が着けていたが、一軍に定着できないまま西村との交換で「32」に。この藤倉の前も長い。弘田澄男だ。1年目の72年は「35」だったが、翌73年のキャンプで急遽「3」に変更。これは弘田の食べっぷりを金田正一監督が評価したためだという。そのまま弘田はレギュラーに定着して、続く74年が日本一イヤー。中日との日本シリーズでMVPに選ばれたのが弘田だった。弘田は藤倉とのトレードで83年オフに移籍した阪神でも活躍を続けている。

 ただ、こうした猛者たちをしのぐ存在が系譜にいる。早実では一切、プロから声がかからなかったが、そこから最年少31歳7カ月で通算2000安打に到達した早熟の天才ヒットメーカーだ。

「3」最強は3代目



天才バッターとして数々の伝説を残した榎本

 ロッテはプロ野球が2リーグ制となった50年に参加し、いきなりパ・リーグ制覇、日本一に輝いた毎日が起源で、そこから大毎、東京、ロッテとチーム名は変遷。92年に本拠地を現在の千葉へ移転してマリーンズとなったが、それまでの愛称は一貫してオリオンズだった。そのオリオンズ時代、すべてのチームで「3」を背負った榎本喜八。チームが毎日だった55年にテスト入団ながら「3」の3代目となり、開幕戦から五番打者として先発出場、そのまま一塁のレギュラーに定着した。

 初めて打率3割を超えたのは大毎3年目の60年だったが、打率.344で首位打者に輝き、リーグ優勝に貢献。東京3年目の66年には自己最高の打率.351で2度目の首位打者、68年には通算2000安打に到達した。翌69年にチームはロッテとなり、続く70年にはリーグ優勝も、榎本は初めて規定打席に届かず。その翌71年オフに西鉄(現在の西武)へ移籍したが、1年で現役を引退した。オリオンズだけで通算2276安打を残した榎本。これは「3」の選手だけでなく、ロッテひと筋、「8」の“ミスター・ロッテ”有藤さえも届いていない金字塔だ。

【ロッテ】主な背番号3の選手
榎本喜八(1955~71)
弘田澄男(1973~83)
西村徳文(1987~97)
サブロー(2004~11、12~16)
角中勝也(2017~)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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