清宮幸太郎、松本剛、野村佑希、万波中正…BIGBOSSの下で「大ブレーク」期待の選手たち

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2022.6.2(木) 11:01

 新庄剛志監督ことBIGBOSSが就任した日本ハム。最下位に低迷しているが、若手主体のメンバーでハツラツとした戦いぶりは成長の跡がうかがえる。今回は大ブレークする可能性を秘めた5選手を取り上げたい。
※成績は6月1日現在

美しい放物線を描くアーチ



今季は1試合2本塁打を2度、マークしている清宮

・清宮幸太郎
今季成績 46試合、打率.227、6本塁打、14打点、3盗塁

 ホームランアーチストとして天性の資質を感じさせる稀有な存在だ。ドラフト1位で高校生最多の7球団が競合した逸材は伸び悩んでいた。昨季はついに一軍出場なし。このままでは終わってしまうという危機感もあっただろう。BIGBOSSの指令で103キロから94キロと9キロ減量。さらに、指揮官と稲葉篤紀GMの助言で開幕直前に大幅な打撃改造を断行した。オープンスタンスからスクエアになり、手首を動かしてバットのヘッドを大きく揺らす動作も消えた。結果を出すためにプライドをかなぐり捨てて必死だった。

 今季は5月5日の楽天戦(札幌ドーム)、同月28日の巨人戦(札幌ドーム)で1試合2本塁打を放つなど6本塁打をマーク。軽く振り抜いた打球は滞空時間が長く、美しい放物線を描いてスタンドに消える。清宮にしか打てないアーチだ。

 まだまだ粗さが目立つが、技術がかみ合えば爆発する予感を秘めている。守備や走塁でも状況判断に課題が残り勉強の日々。反省を糧に成長していく。

首位打者独走の11年目



うまく打球を飛ばし、安打を量産している松本

・松本剛
今季成績 48試合、打率.375、2本塁打、17打点、15盗塁

 大ブレークの時を迎えているのが、プロ11年目の松本剛だ。3月25日、開幕のソフトバンク戦(PayPayドーム)で、四番に抜擢されてマルチ安打を放ち、その後も広角に安打を量産。3、4月の月間成績は打率.418、0本塁打、8本塁打、10盗塁。6月に入っても打率でリーグトップを独走している。

 同期入団の近藤健介と共に非凡な野球センスは誰もが認めるところだったが、なかなかレギュラーに定着できなかった。2017年に自己最多の115試合出場で打率.274、5本塁打、33打点をマークするが、翌18年は巨人からトレード移籍してきた大田泰示(現DeNA)に右翼の定位置を奪われる。19年以降も故障などの影響で一軍に定着できなかった。

 BIGBOSSの方針で横一線の競争となった今季は水を得た魚のごとく躍動している。バットが出る角度が良いため、詰まっても内野の頭を越える打球で安打を積み重ねる。今は試合に出る喜びを感じているだろう。

打撃センスが光る四番



四番として勝負強い打撃を見せている野村

・野村佑希
今季成績 44試合、打率.297、3本塁打、20打点、2盗塁

 6月1日の球宴ファン投票第1回中間発表で、パ・リーグの三塁手部門でトップの3万2264票を集めたのが野村だった。

 非凡な打撃センスは新人のころから光っていたが、度重なる故障で突き抜けられなかった。1年目の2019年は8月末に左股関節後方亜脱臼で戦線離脱。翌20年は調子を上げ始めた7月7日のオリックス戦(京セラドーム)で三塁の守備時に打球が直撃するアクシデントで右手小指を骨折。3カ月以上離脱し、復帰したのはシーズン終盤だった。昨季も2年連続開幕スタメンを飾ったが、4月10日のオリックス戦(京セラドーム)で9回にスライディングした際に左ヒザを強打。打撲による関節炎で1カ月半以上離脱した。

 今年は2月の春季キャンプ終盤に左足首捻挫で出遅れたが、4月5日に一軍昇格。四番でチーム最多の22試合に出場し、勝負強い打撃を見せている。近い将来に打率3割、30本塁打も期待できる逸材だ。

一挙手一投足に華がある「スター候補生」



6月1日の広島戦では三塁打が出ればサイクル安打だった

・万波中正
今季成績 45試合、打率.241、9本塁打、26打点、0盗塁

 ミスをしたらすぐに取り返すしかない。5月27日の巨人戦(札幌ドーム)で右翼の守備で中山礼都の打球を後逸する失策。中山の本塁生還を許すと、思わずうなだれた。だが、時間は待ってくれない。29日の同戦で4回二死満塁の好機に適時内野安打。名誉挽回の一打で勝利に貢献した。

 強肩でパンチ力のあるプレースタイルは現役時代のBIGBOSSを彷彿とさせる。一挙手一投足に華があるスター候補生の課題は好不調の波を少なくして、コンスタントに高いパフォーマンスを発揮することだ。3、4月の月間成績は打率.155、4本塁打、9打点。打てない時期も我慢強く使ってくれる指揮官の期待に応えたい。5月に入ると変化球に対応できるようになり、淡白に凡退する打席が減った。

 5月18日のオリックス戦(ほっと神戸)で自身初の1試合2本塁打を含む5打数3安打5打点の大暴れ。6月1日の広島戦(マツダ広島)でも2回に9号中越えソロを放つなど猛打賞2打点と打率を上げている。コンパクトなスイングでもリストが強いため、打球は外野の頭を越える。確実性を磨いて大化けなるか。

積極的なフルスイング



ムードメーカーのバットが火を噴けばチームは盛り上がる

・今川優馬
今季成績 34試合、打率.227、6本塁打、14打点、2盗塁

 ニックネームは「執念先輩」。プロに入ることが家族の悲願だった今川は一つひとつのプレーに気持ちが入っている。ベンチでは常に前のめりで声を張り上げる。初球から積極的にフルスイングできるスタイルは大きな魅力だ。

 4月21日の楽天戦(楽天生命パーク)から7試合で5本塁打。東京ドームで開催された同月27日からのオリックス2連戦では3本のアーチを含む9打数7安打5打点と打ちまくった。打率.273まで上昇したが、プロの世界は相手も対策を施してくる。今川の積極性を逆手にとり、ボール球になる変化球でバットが空を切るようになると打率も下がっていった。

 だが、一流になるためには誰もが通る試練だ。チームを盛り上げるムードメーカーにBIGBOSSの期待は大きい。失敗をしても前を向き続ける。日本ハム変革を象徴する存在だ。

写真=BBM

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