5回8安打5失点で今季初黒星のロッテ・佐々木朗希。生真面目さも出た試合だった/荒木大輔WEBコラム

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2022.6.4(土) 11:02

精度を欠いたコントロール



佐々木朗[左]、松川のロッテバッテリー

 5回8安打5失点――。6月3日の巨人戦(東京ドーム)、先発したロッテの佐々木朗希は苦しいピッチングに終始した。2回から1失点、2失点、1失点、1失点。盗塁も3個許した。前回のマウンド以上に体の開きが早くボールがシュート回転する。本人も修正を試みようとしているが、それができない。普段は投げない東京ドームのマウンドが合わなかったのか、中6日の登板が続いて疲労が蓄積していたのか。理由は分からないが、マウンドでの表情もさえなかった。

 スピードはあっても、コントロールの精度を欠き、ボールが中に入る。打者にはファウルで粘られ、球数がかさんでしまう。一ゴロに打ち取ったが、4回の先頭打者、中山礼都にもファウルで粘られ9球を擁した。こういう打者のアプローチはボディブローとなって効いてくる。捕手の松川虎生もリードに困っただろう。完全試合を成し遂げたときはストレート、フォークの出来が完璧。だから、その2球種で大記録を達成できたが、今回の登板ではボールを操るのに苦労していた。ようやくカーブを投げたのは5回。状態が悪かったのだから、もう少し早い段階から目先を変える見せ球としてカーブやスライダーを使っても良かったかもしれない。

 佐々木朗が生真面目だなと感じるシーンもあった。2回二死満塁で打席に立ったとき5球ファウルで粘った末、カウント1-2から二ゴロに。完全に打ち取られた打球だったが、佐々木朗はまったく力を抜くことなく、一塁へ全力疾走した。もちろん、先制点のチャンスで相手がミスをするかもしれないから悪いことではない。ただ、その裏、佐々木朗はいきなり先頭のポランコに右翼フェンス直撃の三塁打を打たれ、続く増田陸に先制の適時二塁打を許してしまったのは事実だ。DH制のパ・リーグでは打席に立たないが、しっかりと息を整えたり、水分補給をしたりしてマウンドに上がることができたのか。抜くところは抜くことも覚えなければいけないとも感じたシーンでもあった。

 ただ、ロッテベンチは容易に佐々木朗をマウンドから降ろさなかった。5回89球。今季初黒星を喫したが、とにかく経験を積ませようという首脳陣の意図はにじみ出ていた。高卒3年目の佐々木朗。高卒新人の松川も含め、いまはすべてが勉強になるのは間違いない。この日の経験も今後にどう生かすか。若きバッテリーが描く成長曲線を見守っていきたいところだ。

写真=高塩隆

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